福岡市が14年春の開院を目指す新こども病院の病床数について、市は16日、当初計画通り「260床」を想定して整備する考えを示した。開会中の9月市議会委員会で、中山郁美委員(共産)の質問に答えた。県の医療審議会は新こども病院について「233床」が適切であると知事に答申。県は開院時に「233床」の病床数しか許可しないことも考えられるが、市は「将来的な医療環境を考えればたとえ経費(維持管理費)がかさんでも、造っておくべきだ」と説明した。
質疑で、市立病院担当の永渕英洋部長は「医療環境はかなり早いペースで変化しており、その変化に対応し、新病院の機能を最大限発揮するには260床が必要だ」などと理由を説明。保健福祉局の井崎進局長も「過分なもの、無駄なものを造っているのではない」と理解を求めた。
市が「260床」にこだわる背景には、市内の産科医の高齢化が進むのに伴い、将来的に産科医不足が予想されることや、ハイリスク患者の受け入れ拡大を求める現場の声が出ていることなどがある。しかし、この日、委員からは「願望に基づく数字で収支を計算することは許されない。税金をもてあそぶべきではない」との批判の声もあがった。【鈴木美穂】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2009年9月17日 地方版