2009.09.16 Web posted at:  10:12  JST Updated - CNN
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ガザ地区軍事作戦、「戦争犯罪」と国連報告書

イスラエルの軍事作戦で被害を受けた建物内部を歩くハマス戦闘員=1月、パレスチナ自治区ガザ

国連(CNN) 昨年12月27日から今年1月18日までイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザで実施した軍事作戦について、国連人権理事会の調査団は15日、イスラエルとパレスチナの双方の行為が「戦争犯罪」に匹敵するとした報告書を公表した。

調査団は南アフリカ人の判事、リチャード・ゴールドストーン氏が代表を務め、574ページの報告書をまとめた。内容の大半はイスラエル軍への批判で占められ、その行為が「戦争犯罪であり、人道に対する罪に相当する」と述べている。イスラエルは調査に協力していない。

報告書によるとイスラエル軍は、国際法によって義務付けられている民間人の死傷者や、民間施設への被害を回避もしくは最低限に抑えるための措置を取らなかった。白リン弾を民間人居住地区に発射し、医療施設を爆発力の高い砲弾で攻撃したうえ、攻撃前に民間人や国連要員への警告を行わなかった点も問題視されている。さらに、パレスチナの民間人を「人間の盾」とし、ガザ地区の食糧供給に故意に打撃を与えたと指摘されている。

報告書は国連安全保障理事会がイスラエル政府に対し、第三者による3カ月以内の検証開始を促すよう勧告。国際刑事裁判所(ICC)の検察官による調査も提案している。

一方、パレスチナ側については、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが、イスラエル側へのロケット弾攻撃を続けた点が問題視された。

報告書を受けてイスラエル外務省は、「調査の偏向は明らかであり、南部の民間人に対するハマスのミサイル攻撃が続いたためガザ軍事作戦が必要だった点が無視されている」との声明を発表。またハマスのスポークスマンはCNNに対し、ハマスが国際法で認められている自己防衛を行っていたと述べ、戦争犯罪の指摘に反論した。

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