ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英さんが15日、「憲法9条京都の会」の7人目の代表世話人に選ばれた。京都市左京区での集会で「憲法改正草案など出させない運動を展開しよう」と呼びかけた。
益川さんは「私は9条改正が提起されたら反対運動が沸き起こると言ってきたが、間違いだった。改正案が出てから反対するより、提案させない方が楽。私も(物理学を)もっと勉強できる」と約320人を前に軽妙に語り、会場を沸かせた。
同会は昨年6月に結成され、賛同者は1075人・205団体。他の代表世話人は哲学者の鶴見俊輔さん、作家の瀬戸内寂聴さんら。
益川さんは1940年に名古屋市で生まれ、空襲で焼夷(しょうい)弾が自宅屋根を突き抜けるなどの戦争体験がある。
05年発足の「『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」の呼びかけ人にもなるなど、反戦平和のための発言を積極的にしてきた。【太田裕之】
毎日新聞 2009年9月16日 大阪朝刊