2009年9月16日21時30分
藤井裕久財務相は、ガソリン税など自動車関係諸税の上乗せ税率(暫定税率)を10年度に廃止する方針を明言した。ガソリンが1リットルあたり約25円安くなり、国税、地方税あわせて2.5兆円規模の減税効果を見込む。家計や企業経営の負担を軽減し、政権交代を実感してもらう狙いだ。
ガソリン税や軽油引取税などの暫定税率を10年度に廃止する方針は、民主党マニフェスト(政権公約)に明記されている。藤井氏は16日、暫定税率廃止について「マニフェストの非常に大事なテーマ。(来年度からの廃止は)当然のこと」と記者団に語った。
税収は、国税で約1.7兆円、地方税で約8千億円(いずれも09年度見通し)目減りする見通し。ただ穴埋めのための増税はせず、予算のムダ削減を進める党の方針に沿って道路予算を削る考えだ。
ただし、国の道路予算は09年度当初予算ベースで約2.5兆円。どの程度の削減が可能かは、今後の予算編成作業に委ねられることになる。
また、地方自治体には税収が減ることへの懸念がある。これは国直轄公共事業の地方負担分(約1兆円)を廃止することで、埋め合わせを検討。この地方負担がない市町村に対しては、都道府県から資金を配分する方法を探る。
ガソリン税の暫定税率は、石油ショックが起きた70年代に消費抑制などを目的に導入され、期限延長が繰り返され、税収は道路建設に回されてきた。08年4月には、参院で民主党などが反対して暫定措置が一時失効、1カ月間ガソリンが値下げされた。