旧釜石市民病院で心臓手術後に死亡した女性(当時66歳)の遺族からの損害賠償請求を受け、同市は15日、慰謝料を含め約3170万円で和解する考えを明らかにした。定例議会最終日の16日に議案を追加提案する。
女性は03年6月、狭心症と診断されて心臓カテーテルの治療を受けた。翌日、出血するなどして死亡した。遺族側は今年3月、「心臓カテーテルは必要なかった」として市に損害賠償を請求した。
市は複数の専門医に術中造影記録などを診てもらった結果、心筋が血管の上を通って血管が狭くなるように見える心筋ブリッジだったと考えられるとの見解に基づき、請求に応じることにした。病院は07年3月、県立釜石病院との統合に伴い閉鎖されたが、当時、加入していた病院賠償責任保険で支払うため、市費の持ち出しはないという。【鬼山親芳】
毎日新聞 2009年9月16日 地方版