生駒市の新病院設立問題で、同市議会市民福祉委員会(矢奥憲一委員長、6人)は14日、新病院の指定管理者を医療法人徳洲会とする案を否決した。同案は25日の本会議で採決されるが、可否は不透明な状況だ。山下真市長は、本会議で否決された場合、12月定例市議会への再提案も視野に、即座に計画を凍結しない方針を示した。
委員会では、樋口清士議員(民主・草創)が「徳洲会との協定書案などが示されておらず、市民が望む病院事業をやってくれるか不安。判断材料が十分でない」などと主張。指定管理者を決める前に、市が設置する病院事業推進委員会で、事業計画策定などを先行させるよう求めた。
山下市長は「推進委で事業計画案をまとめても、その後に指定管理者が否定されれば議論が無駄になる」などと反論した。
委員会は、樋口議員が提案した継続審査の動議を否決。続いて、市が提出した徳洲会を指定管理者とする案も反対多数で否決した。
終了後、山下市長は「徳洲会自体に反対なら事業を進める意味がないが、時期尚早という理由なら、市として凍結を宣言する段階ではない」と発言。今議会で否決や継続審査となった場合、病院事業推進委員会での議論を先行させ、12月議会で再度判断を求める可能性を示唆した。
一方、樋口議員は「病院事業を動かすのが私たちの思いだが、今の段階では判断できない」と述べ、今議会での採決は時期尚早との考えを示した。【中村敦茂】
毎日新聞 2009年9月15日 地方版