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社会

死因特定医を独自に養成 全国初、県医師会 

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 医師の診察にかからず死亡した人たちの死因を特定する技量を身につけるため、兵庫県医師会が、開業医や臨床医を対象に認定医制度に取り組んでいる。近年、事故や自殺などの「変死事案」は増加。病気やけがを治すことが専門で遺体の死因診断に慣れていない医師が、事件に巻き込まれた可能性を見逃すのを防ぐ効果が期待されている。(安藤文暁)

 死因特定の専門家である警察の検視官や解剖医の不足は、全国的な課題になっている。2007年、時津風部屋の力士暴行死事件では当初、警察が被害者を病死と判断したが、遺族が解剖を求めたことがきっかけで、事件化した。

 県医師会は07年、全国の都道府県医師会で初めて認定医制度を開始。郡や市の医師会から推薦を受け、年に数回開かれる研修に出席した医師に、必要な技量が備わっているかを確認している。

 既に約80人が認定されたが、それでも十分とはいえない。兵庫県内で変死体が発見されると、神戸市(西、北区を除く)であれば法医学の専門である県の監察医が担当。監察医が担当しない地域では、その都度、警察が病院の臨床医や開業医を探し出して診断してもらい、不審な点があれば解剖医が判断する。

 医師らは日常業務に追われている上、兵庫県警が昨年、調べた遺体数は10年前の1・6倍にあたる約6600体に増えた。県医師会は、県に監察医の拡充を要望しているが、日本法医学会認定の解剖医は約100人。人材確保は容易ではなく、来月にも、認定医のリストを県警と共有し、速やかに診断できるよう態勢強化を目指す。

 一方、人手不足を補う科学的手法も広がりつつある。警察庁は07年度から遺体をコンピューター断層撮影(CT)にかけて死因判定する検査補助費を予算化。さらに携帯型の超音波(エコー)検査装置を本年度中に全国の警察本部に配備する。海堂尊さんのベストセラー小説「チーム・バチスタの栄光」では、死亡時画像病理診断(Ai)と呼ばれる技術が取り上げられ、実用の是非をめぐる議論にも発展している。

(9/15 15:22)


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