中国残留日本人孤児の生活や就労を支える支援者の研修会が11日、広島市南区の広島県社会福祉会館であった。国が昨年4月から中四国地方の県や市に配置した支援・相談員15人を含む、約40人が参加した。
残留孤児だった広島市の自立指導員、冨樫ムツ子さん(75)=中区=は、自らの体験を発表。11〜45歳を過ごした中国を離れて帰国したが「言語と文化の壁に何度も泣いた」と明かし、周囲の理解や支援の必要性を訴えた。
意見交換では「偏見が強い住民もいて、トラブルが解決しにくい」「担当職員が歴史を理解しておらず、支援に熱意がない」などの声が出た。厚生労働省中国孤児等対策室の職員は「きめ細かい研修を重ねるなど、意識啓発に力を入れたい」と述べた。
【写真説明】中国残留孤児の支援をめぐる課題について話し合う参加者
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