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「高速無料化」JR支援の民主党議員は板挟み(1/2ページ)

2009年9月14日23時5分

写真:瀬戸大橋線を走る電車と真上にある瀬戸中央自動車道=13日、本社ヘリから、森井英二郎撮影瀬戸大橋線を走る電車と真上にある瀬戸中央自動車道=13日、本社ヘリから、森井英二郎撮影

 JRの労働組合の支援を受けて当選した民主議員が、党公約との板挟みになっている。顧客を奪われて大打撃になりかねない「高速道路の無料化」にJR会社と労組がともに猛反発しているからだ。労組側は18日、民主議員との懇談会を開いて減収分を穴埋めする助成を求めるなど、働きかけを強めている。

 「高速無料化、頼むよ」。8日朝、JR西日本の佐々木隆之社長(63)は、3選を果たしてあいさつにきた三日月大造氏(38)=滋賀3区=にこうくぎを刺した。

 佐々木社長は記者会見などで無料化反対の立場を鮮明にしている。三日月氏は「無料化はやります。ただ、どうやるかは今後しっかり考えます」と懸命に理解を求めた。

 三日月氏はJR西の元社員。8年間の在職中は社員の9割、約2万6千人が加入する西日本旅客鉄道労働組合の役員も務めた。同労組の「組織内候補」であると同時に、会社にとっても「完全な身内」(JR西幹部)という意識が強い。滋賀県草津市の地元事務所には日常的にJR関係者が出入りし、国会では運輸行政に関する質問を繰り返してきた。

 選挙戦では党の目玉政策である「高速無料化」にはあまり触れず、年金問題や「子ども手当」の支給を中心に訴えた。朝日新聞の取材に三日月氏は「JRの減収も含め、様々な懸念や指摘がある。支援労組から『どないなってんねん』という反発があるのも知っている」と打ち明け、「今後、道路だけでなく、鉄道、空路も含めた総合的な交通政策の姿を示すことで、理解を求めていきたい」と語った。

 一方、JRの窮状は待ったなしだ。

 高速道路の「休日千円」が導入された3月以降、JR西には、不況や新型インフルエンザも加わった「三重苦」が直撃。今年のお盆期間の山陽新幹線の利用客数は、JR発足の87年以降で最大の下げ幅となる前年比9%減。高速と並行して走る在来線も大打撃を受け、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋線は15%の大幅減となった。

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