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高校生の求人半減「スタートラインにも立てない」

2009年9月13日8時23分

 高校生の就職市場が深刻さを増している。厚生労働省の11日の発表によると、来春の高校卒業予定者に対する7月末の求人数は約13万5千人。前年同期比の半分近くにまで落ち込み、昨秋来の不況の影響が一気に表れた格好だ。企業の採用活動が解禁となる16日を前に、高校の進路指導担当者からは苦境を予想する声が聞こえてくる。

 厚労省によると、7月末の求人倍率は0.71倍。北海道や東北、南九州は0.3を切る地域も多く、特に厳しい。

 青森市の青森工業高によると、昨年1600件ぐらいあった求人が今年は800件強ほどにとどまるという。進路指導主事の小田桐成登教諭は「解禁日の16日になっても、面接すら受けられず待機状態の生徒が多くなるだろう。頑張れと言いたいが、頑張るスタートラインにも立てない」。

 鹿児島県薩摩川内市の川薩清修館高校は、企業側から「就職試験を受けるのは1校1人で」と強い要請を受けた。それでも、採用の抑制もあって、企業によっては競争倍率が10倍を超えることも予想されるという。

 岩手県奥州市の水沢商業高も、地元の自動車関連企業が採用を控えていることもあり、地区の高卒求人は前年同期の4割程度。地元は見込みが薄いと、県外企業を受ける生徒が前年の倍以上になる見通しだ。

 進学への切り替えを勧める動きもある。札幌市の札幌東商業高では20年ほど前は卒業生の9割が就職していたが、今の3年生は6割が進学希望だ。担当教諭は「もともと高卒の採用は待遇面で条件が厳しい。以前は高卒を対象にしていた職種が、大卒や短大卒に振り替えられている傾向も強まっている」と話す。(井上秀樹、上野創)

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