天皇陛下との会話
朝10時半ぐらい、誰かがピンポーンとやってきた。
「警察ですけど、11時**分ごろ天皇陛下が道路を通られますので、表通りに車を出さないでください」とのこと。
ワンコの散歩のついでにお出迎えしようかナーと、ククとダンナと3人で表通りに出ると、私服警察官が100m置きぐらいに立っている。
「お出迎えなさる方は、ここに集ってください」と、適当な場所に散らばった人を集めて、準備万端。
誰も通らなくなった空っぽの通りを、白バイに先導された黒塗りの車が数台やってきた。人が待っている場所に差し掛かると、車はスピードを緩めて、美智子さまが窓を開けてお手振りをしながら通りすぎて行った。
美智子さまの奥の席では、天皇陛下が、一生懸命身を乗り出すようにして歩道の人たちに手を振っていらっしゃった。
葉山に天皇家の人はよくいらっしゃるけど、なかなかお出迎えする機会がないので、今回は久し振り。
午後に御用邸のすぐ近くにあるBEACHで、オープン2周年のパーティーがあり、それに参加してほろ酔い気分で浜辺に出て散歩していたら、ちょうど天皇家の方々がお散歩していらっしゃるところに出くわした。
周囲にはたくさんの人。20から30人ぐらいが固まって、ぞろぞろと移動中だった。でも、大半が警備とお付の人で、浜辺には一般の人があまりいなかった。
そんなところに通りかかった私とダンナ。
あっ、天皇陛下だと気がついて見ていると、天皇陛下がすたすたと私たちの方へ。えっ、と思って見回すけど、いるのは私たちだけ。
つまり、私たちのところに来たのね。天皇陛下が来ると美智子さまもついていらっしゃる。さらに紀子さんと長男のひさひとちゃんも。
天皇「お散歩ですか」
私「はい、そうです」 天皇「どちらから?」 ダンナ「その辺です(なんていう答え!)」 美智子さま「今日は涼しくていいですね」 私「ええ、お散歩には気持のいい天候ですね」 なんていう会話を交わし、天皇と美智子さまが立ち去ると、次ぎに紀子さんがきて、お辞儀を! 抱っこしたひさひとちゃんを見ながら、「大きくなられましたね。かわいいですね」と言ったら、ひさひとちゃんにこちらを向かせて、さらにバイバイまでさせて、また会釈をして御用邸の裏口へ。
なんか、みんないい人だったなー。天皇陛下や美智子さまの声は、テレビで聞くのと一緒(当たり前!)。紀子さんも、ずいぶんお母さんらしく落ち着いた雰囲気で、天皇家にしっかり馴染んでいる感じだった。
今、天皇家は、お世継ぎ問題も含めて、その存続までいろいろな意見にさらされているけど、こうして生でみる天皇家の人たちがは、一生懸命自分たちの役割りを果たそうとなさっている様子がひしひし伝わってくる。やはり、こういう歴史のある家の伝統はひとつの文化遺産であり、守っていかなければいけないなーという気持ちになってくる。
歴史を捨てることはかんたんだけど、積み重ねてきた歴史が生み出した文化や伝統は、お金で買えるものではない。
そういうお金で買えない価値のあるものを持っているということを、私たちは誇らしく思うと同時に、伝承していく責任もあるのかも。
今回はお出迎えもして、偶然お散歩に出くわしてお話も出来た。なんか縁があった感じ。
いろいろ周囲もうるさそうだし、ややこしくて面倒な日々を送っていらっしゃるだろう天皇家の人々。たまには煩雑な日々から解放されて、葉山の海辺でのんびりしようといらっしゃっているにちがいない。
私が海辺で元気をもらっているように、天皇家の人たちにものんびりリラックスしていただきたい。葉山に来た人には、みんな元気になって帰ってもらいたい。
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コメント(1)
それはそれは貴重な経験をされましたね。葉山あたりにいても、車で通られるのに逢うことはよくあっても、実際にお話し出来る人は滅多にあることではないでしょうね。
私は、独立する前、吹上の新御所の設計に携わりましたが、宮内庁の役人との打合せはしましたが、陛下との打合せには出ることは出来ませんでした。残念。
天皇家の暮らしは大変ですよね。散歩するにも、警備だ何だとゾロゾロついて来ちゃうし、自由な時間はほとんどありませんものね。
2009/9/13(日) 午前 2:22