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航空事故:北ア、防災ヘリ墜落 岐阜県職員3人が死亡--尾翼、岩衝突

 11日午後3時20分ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂(かんさか)の北アルプス奥穂高岳の岩場で、県防災ヘリ「若鮎(あゆ)2号」が急病人の救助活動中に墜落、炎上し、搭乗していた県防災航空センター職員3人が遺体で見つかった。県などによると、ヘリのテールローター(回転尾翼)が岩場に衝突し、ヘリは約400メートル下へ墜落したといい、県警が高山署に捜査本部を設置し、事故原因を調べている。

 県によると、搭乗していたのは同センターの▽同県各務原市東山、操縦士、朝倉仁さん(57)▽同市鵜沼川崎町、整備士、三好秀穂さん(47)▽同県笠松町田代、副隊長、後藤敦さん(34)。3遺体は、墜落現場からさらに100~150メートル下の岩場で県警ヘリに収容された。急病となった宮城県山元町、無職、冨沢薫さん(64)も遺体で収容された。

 岐阜県や県警によると、同日午後1時半ごろ、「男性が急病で倒れた」と登山パーティーから地元消防に連絡があり、若鮎2号は同2時10分ごろに各務原市の同センターヘリポートを離陸、朝倉さんら3人と山岳警備隊員、別のセンター職員の計5人で現場に向かった。だが地上に降りた山岳警備隊員ら2人が冨沢さんの遺体を発見し、ヘリから垂らしたロープに遺体の収容袋をくくりつけようとしたところ、ヘリが岩盤に衝突、墜落した。現地の山荘従業員によると、当時、現場には霧が出ていたという。

 若鮎2号はベル式412EP型(全長17・1メートル。定員15人)。10~11日に100時間飛行後に行われる点検を受けたばかりで、異常はなかったという。

 操縦士の朝倉さんは航空自衛隊から97年に県に入庁。空自時代から現在までの飛行時間は5740時間に及ぶベテラン操縦士。

 ◇事故調査官を派遣

 北アルプス・奥穂高岳付近で岐阜県防災航空隊のヘリが墜落した事故で、運輸安全委員会は11日、航空事故調査官3人を現地に派遣した。【平井桂月】

毎日新聞 2009年9月12日 東京朝刊

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