イギリスのロンドンで今週、世界最大級の最新兵器の見本市が開かれました。紛争やテロを誘発する武器取引を抑制することが国際的課題となっている中、この見本市には、世界中から実に2万人以上の人が最新兵器を求めて集まりました。
軍事ヘリコプター、小型兵器に戦闘車両。今週、ロンドンを舞台に世界中の最新兵器が集結しました。2年に1度行われる「国際防衛装備展示会」、いわゆる武器見本市です。
この展示会は世界最大級ともいわれています。世界中の軍事・政府関係者が最新兵器を求めて、ここに集まってきています。40か国の実に1300もの軍事関係の企業が自慢の兵器を披露。真剣なまなざしで品定めする各国の軍幹部の姿も多く見られました。
「我々の無人偵察機について、今、NATO諸国と話をしていて、まもなく話はまとまります。また、アジアの国も関心を持っています」(アメリカ「TEXTRON SYSTEMS」 軍事企業の担当者)
今年初めの大規模な軍事行動で国際的な非難を浴びたイスラエルの展示もありました。最新の防衛システムを開発した企業の担当者は、今、50か国と取引があると話します。
「我々は50の国と取引しています。主に欧州、ラテンアメリカ、極東やオーストラリア、そして“平和を守る良い人たち”とね」(イスラエル「RAFAEL ADVANCED DEFENCE SYSTEMS」 軍事企業の担当者)
イスラエルの強力な軍事力が中東での紛争を助長しているのではないかという問いには・・・。
「我々は1日でパレスチナのガザ地区を破壊できるんです。でも可能なかぎり市民の犠牲を避けようと努力しています。もちろん我々は彼らよりずっと強いけれど」(イスラエル「RAFAEL ADVANCED DEFENCE SYSTEMS」 軍事企業の担当者)
ストックホルム国際問題研究所によると、去年の世界の軍事支出はおよそ1兆4600億ドル。およそ10年前の統計と比べると、45%も増加しています。アメリカ同時多発テロ以降、アフガン・イラクなどで続く、いわゆる「テロとの戦い」がその額を大きく押し上げているのです。
会場には、兵器を熱心に眺める日本の自衛官の姿もありました。
「世界の軍がどのような装備を見ているのかという知識を仕入れるということで、我々が何を買うかということにフィードバックすることはない」(在イギリス日本大使館 寺田博之一等海佐)
さらに日系企業も大きなブースを構えていました。こうした展示会と日本は決して無縁ではないのです。
世界で紛争やテロがやまない中、武器取引をどう抑えていくかが国際的な課題となっている今・・・。
「戦争に備えなければ平和を失ってしまいます。歴史が証明していることです」(展示会の参加者)
しかし、この兵器ビジネスのにぎわいは、この課題がいかに難しいものかをはっきりとあらわしています。(12日17:42)