県立医大(福島市光が丘)は10日、同大の大学院生が覚せい剤取締法違反(使用)容疑で警視庁渋谷署に逮捕されたと発表した。
渋谷署によると、逮捕されたのは福島市在住の同大大学院医学研究科2年、吉野勝治(まさはる)容疑者(28)。容疑は、3日に渋谷区内で覚せい剤を使用したとしている。吉野容疑者は容疑を認めているという。3日深夜、同区内の病院から「言動のおかしい男性の尿から薬物反応が出た」と通報があった。同署員が吉野容疑者を任意同行して尿検査をしたところ、覚せい剤の陽性反応があり、4日未明に緊急逮捕した。
厚生労働省によると、吉野容疑者は07年7月に東京都内のホテルで覚せい剤を使用した同取締法違反の罪で同年10月に東京地裁で懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。08年9月には、同省から医師活動を禁止する医療停止処分(2年)を受けていた。
同大によると、吉野容疑者は2~4日、医療技術研修会に出席するため、一人で千葉市を訪れていた。6日早朝、吉野容疑者の母親から逮捕の連絡を受けたという。
10日に県庁で記者会見した同大の阿部正文・医学研究科長は「覚せい剤が社会問題になっている中で、このような事態は誠に遺憾。注意喚起を徹底する」などと述べた。また、今後は捜査結果を踏まえて吉野容疑者の処分を検討するという。【神保圭作】
毎日新聞 2009年9月11日 地方版