2009年09月11日

国民主権と国家戦略局

総選挙後の論評を見聞きする限り、マスコミや有識者と言われるコメンテーターは国家戦略局の働きを理解できていないように感じます。

この方々は、やさしいことを難しく伝えることを職業としているのではないかと疑ってしまいます。

 

コンピューターもそうですが、何かを「動かす」ためにはコマンド(命令、指令)を選択する段階(コマンドセレクト)とコマンドを入力する段階(コマンドエンター)に分けられます。

 

分かりやすいのが炊飯器です。炊飯器には「望む出来上がり」を決めるいくつかのコース(道筋)が用意されています。

私たちは、もちもちコース、しゃっきりコース、早炊きコースなど望む結果によりコースをセレクトできます。そして、スタートボタン(コマンドエンターボタン)を押し、炊飯器を「動かす」のです。

 

国家の運営も同じです。政策というコマンドをまずセレクトし、次の段階でエンターし、国家を動かしているのです。

今問題になっているのは、コマンドセレクトの段階のことです。つまり、政策をセレクトし、テーブルに上げるのは誰の役目なのかということが問われているのです。

 

ご存じのように、今までは官僚という公務員が、(陳情に応じた)政策をセレクトし、省庁ごとに事務次官会議というテーブルに上げてきました。つまり、公務員の手により個々の政策がセレクトされていたのです。

 

そして、その官僚がセレクトした政策を、国民が選択した内閣が承認(コマンドエンター)することによって、セレクトされた政策が「執行」に移されるのです。「執行」とは権力の行使であり、権力とは「他人を強制し服従させる力(大辞泉)」です。

 

お分かりだと思います。今までは、私たち国民が権力の行使を信託していない官僚が政策をセレクトしてきたのです。日本国憲法の前文に明記されていますが、権力は「国民の代表者が行使」しなくてはならないのです。

つまり、選挙で選ばれた(権力の行使を信託した)国会議員が選んだ内閣総理大臣を長とする内閣が、私たち国民を強制し服従させる力を行使しなくてはならないのです。

 

国家戦略局とは総理大臣直属の政策を選択(コマンドセレクト)する機関と考えてください。そして、政策を決定(コマンドエンター)するのは内閣です。さらに政策を実現させるための「行政」を取り仕切るのは、憲法に「行政権は内閣に属する(第六五条)」と書かれている通り、これも内閣なのです。

 

そして、鳩山新政権は、国家戦略局がコマンドセレクトし、内閣がコマンドエンターした政策を正しく「動かす」ために、各省庁に大臣とともに国民から主権を信託された国会議員を多数送り込み、「国民が選択したマニフェスト(政権公約)に書かれた政策」を実現するために、官僚を使いこなす仕組みを作り上げる計画なのです。

 

炊飯器に例えると、今までの炊飯コースのセレクトは、「頼んでもいない他人の遠隔操作」によって行われていたと言えます。

これからは、自分(主権者たる国民)の判断でコマンドセレクトし、国民の代表者を通じてコマンドエンターするという、民主主義国家として当たり前の政治に変わっていく、ただそれだけのことなのです。

 

進んでいく方向は「友愛社会」です。これからは「友愛」という行動規範に則した政策が選択され、実行に移される社会に変わっていく、私はそう信じて疑いません。