上関原発埋め立て、反対の漁業者ら台船接岸阻止
上関原発の着工に反対し座り込む人たち。奥はにらみ合いを続ける作業船と漁業者らの船団(10日午前8時31分、山口県平生町で)=坂口祐治撮影
山口県上関町で原子力発電所建設計画を進める中国電力(広島市)は10日、建設予定地で行う海域埋め立て工事の準備作業を始めた。予定地から約15キロ離れた同県平生町の岸壁にクレーン台船を接岸させ、工事用資材を積み込もうとしたところ、建設に反対する上関町祝島の漁業者らが漁船に乗って岸壁付近に集まり、接岸を阻止した。同日午後1時現在、積み込み作業ができない状態が続いている。
中電によると、工事は、陸域の工事で出た土砂を使い、約3年で約14万平方メートルを埋め立てる計画。
10日は、工事区域を示すための鉄製の灯浮標9基を海上に設ける作業に取りかかる予定。午前7時50分頃、台船が平生町の岸壁に近づこうとしたが、反対派の漁船約30隻が岸壁付近に列を作った。中電側は「進入路をあけて下さい」と繰り返し求めたが、漁業者らは「帰れ」などと叫んで応じなかった。
また、岸壁近くでは、午前5時頃から、原発建設に反対する漁業者や市民団体のメンバーら計約60人が集まり、横断幕や旗を掲げて座り込んだ。中電のクレーン台船が見えると「きれいな海を汚すな!」と叫び、近くで警察官や中電の警備員が様子を見守った。
一方、広島市の中電本社では、「原発はごめんだヒロシマ市民の会」(木原省治代表)などが抗議文を同社に提出した。
(2009年9月10日 読売新聞)