妻が分娩(ぶんべん)中、子宮破裂で死亡したのは陣痛促進剤の誤った使用が原因だとして、静岡市内に住む男性が清水区内の開業医を相手取り、約1億2000万円の損害賠償を求めた訴訟は8日、開業医側が6500万円を支払うことで和解が成立した。原告側代理人の青山雅幸弁護士は和解を受け、取材に「和解金の額から事実上、医師が過失を認めたと言えるだろう」と話した。
訴状によると、この男性の妻(当時30代)は06年8月21日、出産予定日を4日過ぎても陣痛が起きなかったため、同区内の産婦人科医院に入院。陣痛促進剤の投与を受け、陣痛が起き始めたのに薬を続けて投与されたため急性ショック状態に陥り、同日死亡したとしている。
これに対し、開業医は「薬に添付されていた文書に従って、適正に投与した」と反論していた。【平林由梨】
毎日新聞 2009年9月9日 地方版