2009年9月7日22時58分
千葉県で03〜07年度の5年間に、物品を発注したように装って代金を業者の口座にプールするなどの不適正な経理が約30億円に上ったことが、県の調査で判明した。職員の記憶がはっきりしないなどの使途不明金も約1億1千万円にのぼり、私的流用の可能性もあるという。県は9日、調査結果を公表する。
不適正な経理が発覚したのは、知事部局や水道局、県警など「県所属機関のほとんど」(県総務課)。物品が納められていないのに納入されたことにして代金を支払い、業者に管理させる「預け金」や、業者に事実と異なる請求書などを提出させ、別の物品を納入させる「差し替え」など、会計検査院の検査で「不適正」と区分される項目に該当したという。
県は、使途不明金の約1億1千万円は本来の業務に必要がないと考えられる、と説明。この中には今年2月や5月、県職員が公金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕された事件の被害金も含まれているという。県は、使途不明金についてさらに聞き取り調査を進め、場合によっては刑事告訴や何らかの処分を検討するという。
自治体の不正経理をめぐっては、会計検査院が昨年11月、国の補助金が含まれた全国12道府県の06年度までの5年間の経理状況を調査し、総額約11億円の不正経理を指摘。「預け金」を使った手法が不正経理の主な手口として使われていることが発覚した。
検査院の調査で、年度内に使い切れなかった予算について、業者に一括発注したように伝票を操作し、資金を業者に保管させ、年度をまたいで使うなどの手口が次々と明らかになった。
千葉県はこうした12道府県で発覚した不正経理問題を受けて、昨年10月から独自調査を実施し、今夏からは外部の専門家を交えて調査や検証をしていた。