「いったい、次はどこに逃げたらいいのか」。世界で最も危険な火山の一つと言われるニーラゴンゴ山(3469メートル)を望み、02年の噴火による溶岩が地表を覆う国内避難民のキャンプで、ニラハビネザ・セブロリさん(35)がため息をついた。
7月、本紙「世界子ども救援キャンペーン」取材班が訪れた紛争継続中のアフリカ・コンゴ民主共和国北キブ州キバチ。溶岩を積み上げて作ったかまどで、避難民の少女が煮炊きを手伝っていた。紛争から逃れた彼らにとって、ここも安住の地ではない。
地元研究者のディユドネ・ワフラ氏(55)は、同山北側にあるニアムラギラ山(3056メートル)について「地中のマグマが上下動を繰り返し、危険な状態だ」と警告。最悪の場合、噴火後1時間以内に溶岩がキャンプを襲うと予測する。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、キャンプは8月初旬に規模を縮小。取材班が訪れた時にいた避難民約7000人のうち、約4000人が離れたという。セブロリさんは、私たちに「いつかまた畑仕事をしたい」と話していた。同州カバヤの自宅付近は農作業に適した土壌だとも。今ごろ無事に畑を耕しているだろうか。【田中龍士】
毎日新聞 2009年9月6日 22時10分(最終更新 9月7日 2時07分)