2009年9月7日5時15分
テントや掘っ立て小屋などが並ぶ高速道路の橋の下=米フロリダ州マイアミ、田中写す
「おかしいと思わないか」とバークリーさんは訴えた=米フロリダ州マイアミ、田中写す
同支部のマリヤ・カヤナン弁護士によると、住居制限が再犯防止につながる根拠はないとの研究が相次いでいるという。未成年者に対する性犯罪は家族など身近な人が加害者の例が多く、住居制限はあまり意味がないと説明する。
一方で05年に郡条例の提案者になったホゼ・ディアズ議員は「子どもを一人でも救えるなら、それで十分。ほかの自治体もまねしている」と話す。一つの地域が「2500フィート規制」を設けると、性犯罪者の流入を防ぐため、隣接自治体も同様の規制を導入するドミノ現象が起きている。
郡のホームレス対策財団のロン・ブック代表は橋の下の出所者の転居先探しに乗り出したが、簡単ではない。代表は性犯罪の被害にあった娘がいるが、「憲法や法律に刑務所を出た人間を橋の下に住まわせていいという一文はどこにもない」と語る。
橋の下で暮らすホーマー・バークリーさん(44)は刑務所で17年を送った。「ほかの犯罪者は普通に暮らせるのに、おかしいじゃないか。やり直すチャンスがあるべきだ」と訴えた。(マイアミ〈米南東部フロリダ州〉=田中光)