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元性犯罪者、家は橋の下 米、条例で子どもの近く住めず(1/2ページ)

2009年9月7日5時15分

写真:テントや掘っ立て小屋などが並ぶ高速道路の橋の下=米フロリダ州マイアミ、田中写すテントや掘っ立て小屋などが並ぶ高速道路の橋の下=米フロリダ州マイアミ、田中写す

写真:「おかしいと思わないか」とバークリーさんは訴えた=米フロリダ州マイアミ、田中写す「おかしいと思わないか」とバークリーさんは訴えた=米フロリダ州マイアミ、田中写す

図:  

 米国有数の観光地マイアミビーチに向かう高速道路の橋の下で、50人の「ホームレス」が暮らしている。不況下ではありふれた光景だが、ほかと違う点がある。いずれも元性犯罪者たちだということだ。条例で出所後の住居が規制され、ほかに行き場がないという。

 「とても人が住むところじゃないだろ。動物以下だ」。橋の下で暮らして3年になるジョーイさん(36)は憤る。高速道路の車の騒音、ごみの異臭、湿気を含んだ熱気……。もちろん、トイレもない。テントや掘っ立て小屋や廃車同然の車が並ぶ。

 ここで暮らすのは、フロリダ州のマイアミデード郡条例で、未成年者への性的罪を犯した者は、出所後の住居が学校や公園など子どもが集う場所から2500フィート(762メートル)以上離れていなければならないからだ。

 足首に全地球測位システム(GPS)装置を着けて24時間、監視される。ジョーイさんには妻と5人の子どもが暮らす家があるが、規制にかかるため一緒に住めない。「ここにいるのは午後10時から午前6時まで。それ以外は学校だろうと、どこにでもいける。意味がないじゃないか」

 郡によると、郡内の元性犯罪者は1920人。出所者の住所はネット上で公開されるが、「ホームレス」として登録している出所者は07年4月の14人から今年7月には98人に増えた。金融危機で仕事も住居費も思うに任せない。州当局も住居として橋の下を提示し、運転免許証にも記載してお墨付きを与えている。

 米国自由人権協会フロリダ支部は7月、2500フィートの住居規制をやめるよう郡に命ずることを求めて州地裁に訴えた。州の規制の「千フィート」より厳しく、出所者の住居を不安定にする上、矯正当局の監視を妨げ、十分監視できない事態を生んでいると主張。「地域の安全を高めるより、危うくしている」としている。

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