WWW http://www.iwate-np.co.jp

八重樫が初防衛 プロボクシング日本ミニマム級


 【東京支社】プロボクシング日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦は5日、東京・後楽園ホールで行われ、王者の八重樫東(あきら)(大橋)=黒沢尻工高−拓大出=が挑戦者の同級1位金田淳一朗(白井・具志竪)を3−0の判定で下し、初防衛に成功した。

 試合は激しい打ち合いとなり、元東洋太平王者で世界再挑戦を目指す八重樫が的確なパンチで上回った。八重樫は12勝(7KO)2敗となった。

 世界再挑戦へ一歩 「同級生」に意地の雪辱

 世界を狙う男、26歳の八重樫東(大橋、黒沢尻工高−拓大出)が同級生同士の壮絶な打ち合いを制した。日本王者として初防衛を果たし、世界再挑戦に向かって大きな一歩を踏みだした。

 序盤から積極的に攻める金田淳一朗に対し、得意のフットワークを使い的確なパンチを決めた。6回以降は激しい打ち合い。左まぶたをバッティングで負傷したが、9回には疲れが見える相手にラッシュをかけダウン寸前まで追い込んだ。

 互いの意地と意地がぶつかり合う好試合。判定勝ちがアナウンスされると、会場からは「アキラ」「アキラ」の大合唱が起こり、高々とこぶしを上げた。

 八重樫には負けられない理由があった。金田は、高校2年当時の岩手インターハイで判定負けを喫した相手。試合後、「意識はしなかった」としながら、「タフな試合だった」と一言。「高校時代は地元でぶざまな負け方をした。今日の試合はやっていて楽しかった」とホッとした表情を見せた。

 2007年6月に世界ミニマム級タイトルマッチに挑んだが敗れ、あごの骨折という大けがを負った。今年6月に日本王者となり、再び世界を目指すスタートラインに立った。

 師匠の大橋秀行会長は「テクニックはずば抜けている。あとは精神面だが、今日の試合なら合格点。チャンスがあればいつでも再挑戦させたい」と語った。

 ダウンを奪えなかった八重樫は「まとめきることができなかった。キャリアを積んでもっと苦しい試合をこなさなければだめだ」と納得しない様子。世界戦の厳しさを知るからこそ、大きな手応えとともに課題もつかんだようだ。

(榊)

【写真=壮絶な打ち合いで八重樫東(左)が、金田淳一郎を追い込む=東京・後楽園ホール】

(2009.9.6)

トップへ