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浮かれるな! 民主「急造議員」教育にピリピリ

2009年9月6日18時45分

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 民主党は新人の「教育」を始め、メディア対応も指南。「小泉チルドレンの轍(てつ)を踏ませるな」と神経をとがらせている。

 「新・国会事典」「特別会計のはなし」「立法と調査」……。机の上に本や書類の束が30センチほど積み重なった。「初登院までに、この資料に目を通して」。谷岡郁子参院議員(愛知選挙区)の指示に、磯谷香代子さん(43)がうなずいた。

 磯谷さんは比例東海ブロックの最下位当選者。みんなの党の候補が復活当選に必要な票数に届かず、民主の名簿の41位だった磯谷さんに最後に議席が転がり込んだ。

 立候補の働きかけは公示3日前の8月15日だった。「人が足りない」。小沢一郎代表代行から電話を受けた谷岡議員の頭に、干潟の清掃などで知り合った磯谷さんが思い浮かび、その日のうちに戸籍抄本など書類を整えさせた。

 磯谷さんは一人暮らしの無職。大学卒業後、フルタイムで10年以上働いた会社はアルバイト扱いで本採用されず、亡くなった両親の看護もあって定職に就けずにいる。

 当選が決まって報道されると、インターネット上で「フリーター議員」「杉村太蔵の女性版」など批判交じりの話題に。慌てた党本部から「指導するように」と谷岡議員に指示があったという。

 3日にはマスコミ各社の取材に「職が見つからず苦労し、希望を持てずにいる人たちの気持ちが私は分かる」と抱負を語った。ただ、取材には谷岡議員らが常に付き添い、質問を遮ることも。谷岡議員は「当選したばかりで慣れていない。やじ馬的な興味の対象にされたくない」とかばう。

 同ブロックの名簿40位で当選した大山昌宏さん(39)も駆け込み候補。当選後、党本部から「ゴシップを扱うメディアに注意するように」「(取材に)何でも答えればいいわけではない」などの指示がファクスで届いたという。

 地元で学習塾を経営する。小沢氏の政治塾に参加したことがあり、小沢氏本人から8月14日に誘いの電話を受けた。

 関西電力社員の松岡広隆氏(27)は5日、上京したが、当選証書付与式への出席は取りやめた。「党本部が代理で受け取ってくれると言うので」と言葉少なだ。選挙ではやはり比例で当選した室井秀子氏(53)の事務所を実質的に間借りした。当選後、松岡氏には大山氏と同様のファクスが届いた。室井氏にもメールで党本部から「思わぬダメージを受けることがないよう慎重な対応をお願いします」と指示があった。

 5日午前に開かれた民主党大阪府連の常任幹事会では、平野博文・府連代表らが新人議員らに、「小泉チルドレンのようなスキャンダルのネタを作るな。飲み歩いて浮かれるな」と注意したという。

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