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「幸福の科学」が新党を旗揚げ 総選挙に参戦

2009年6月号 [ポリティクス・インサイド]

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単行本でも発売予定

宗教法人「幸福の科学」が新党を結成する。その名も「幸福実現党」。5月下旬にも記者会見を行う予定だ。幸福の科学は、先の千葉県知事選で森田健作現知事を応援するなど「シンパ候補」の支援活動を展開してきた。今回の新党結党は、4月30日に東京・五反田の教団総合本部で大川隆法総裁が行った法話が発端。その中で総裁は「これまで教団の政治活動は間接的だったが、これからは一定の政治的勢力にならねばならない」「仏国土、地上ユートピアの建設をめざす以上、陰で糸を引いているように言われるべきではない」「今の政党は国民の付託に応えていない。新党は波風を起こすだろうが、教団が政策提言を行っている以上、結果にも責任を持たねばならない」「マルクスの『共産党宣言』を超える『幸福実現党宣言』を、世に問う時が来た」などと決意を語った。この法話はDVDに収録され、全国の教団支部で上映されたという。さらに、5月10日に東京・日比谷公会堂で開かれた大川総裁の青年向け講演会の中に、「『幸福実現党』結党宣言」のプログラムが組み込まれた。当日、壇上に直道(じきどう)党首が登場し、結党宣言を行うとともに佐藤直史幹事長ら5人の党役員を紹介。約2千人の若手会員に新党への参加と支援を呼びかけた。

注目すべきは大川総裁が新党結党を「三国志的に言えば第三極」と位置づけ、「現在、宗教政党は公明党だけだが、その排他性から、国会は創価学会vs立正佼成会など新宗連の不毛な宗教界代理戦争の場になっている」「我々は信者を核とするが仏法真理を信奉する人たちの勢力を結集し、開かれた政党をめざす」と主張している点だ。佐藤幹事長は元創価学会青年部長という経歴の持ち主であり、今後、創価学会勢力との衝突が避けられそうにない。

饗庭党首は42歳、慶応大学法学部卒のいわゆるイケメンで演説も巧みだ。他の党役員も教団職員ながら、前職は松下電器や野村証券勤務などエリート揃い。既存政党の支持層からこぼれ落ちた高齢者や主婦・若年層への浸透を狙う戦略のようだ。果たして衆院選で議席を確保できるだろうか。

   

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