2009年9月4日20時27分
アフガニスタンの地図
【マザリシャリフ(アフガニスタン北部)=金井和之、ドバイ(アラブ首長国連邦)=四倉幹木】アフガニスタン北部クンドゥズ州で4日未明、反政府武装勢力タリバーンを狙った駐留外国軍による空爆があり、民間人が巻き添えとなり、少なくとも90人が死亡した。アフガンではタリバーン掃討作戦に巻き込まれる民間人の犠牲が相次いでおり、駐留外国軍に対する不満がさらに高まる可能性がある。
同州は北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)に所属するドイツ軍の管轄地域だが、爆撃能力を持つ航空機を使っているのは米軍だという。
独軍などによると、ISAFに補給する燃料を積載した2台のタンクローリーが4日午前1時50分ごろ、クンドゥズの南約7キロの道路上にタリバーンが設置した偽の検問で停車したところ、強奪された。情報を受けたISAF現地責任者で、独軍の司令官が空爆を指示したという。
同州報道官によると、タンクローリーが途中で川にはまって動けなくなり、タリバーンがタンクローリーから燃料を抜き取り、付近の住民に配り始めた時、空爆されたという。犠牲者の少なくとも半数は民間人とみられる。
アフガン政府によると、アフガンでは西部ファラ州で今年5月、米軍の空爆で住民140人が死亡するなど、市民の犠牲が相次いでいる。