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「関空リニア構想」 橋下知事、新政権に提案へ

2009年9月3日

 大阪府の橋下徹知事は2日の記者会見で、大阪国際(伊丹)空港(兵庫県伊丹市など)を廃止し、JR大阪駅北側の梅田北ヤードから関西国際空港(泉佐野市など)までをリニアモーターカーで結ぶ構想をぶち上げた。

 橋下知事は「北ヤードと関空が10分間で結ばれれば、大阪が国際都市になるのは間違いない。民主党にそういう話を打ち込んでいきたい」と民主党政権に政策提案する考えを示したが、あまりに壮大すぎる構想なだけに、実現の可能性は未知数だ。

 民主党は、今回の衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)に、首相直属の「国家戦略局」を創設し、国家指針や予算の骨格を策定することを明記した。橋下知事は、国家戦略局を相手に、府が「地域主権」の観点から積極的な政治的提案を行っていく考えを表明。「『こういう案で自立した経営をやっていくので権限が欲しい』と国家戦略局に迫るプランを出していきたい。高速道路や関空リニア構想などを練り上げる」と語った。

 橋下知事は関空リニア構想の財源について「伊丹空港を売却した金でリニアを作ってもらう」と述べた。また伊丹空港跡地については「伊丹の周りの人は別に空港が必要なわけでなく、地元の活性化(のために必要)なので、跡地には首都のバックアップ機能が来たらいい」と話し、跡地には東京の首都機能がまひした場合の代替首都機能を集積させるプランも示した。

 7月下旬の3府県の知事会議では、伊丹−成田便の存在が関空の利用促進を阻害すると主張する大阪、京都側に対し、兵庫県の井戸敏三知事が猛反発した経緯がある。大阪府が構想を進めるなら、両府県の溝が深まることは必至だが、橋下知事は「(周辺自治体と)調整をやるつもりはない。案を競えばいいだけで僕の案をおかしいと思えば、兵庫や京都も案を出せばいい」と強気な姿勢を示した。