裁判員5人が被告に質問、次々と 青森、性犯罪初めて審理性犯罪を初めて審理する全国3件目の裁判員裁判で、青森地裁(小川賢司裁判長)は2日午後、女性2人に対する強盗強姦罪などに問われた男の被告人質問を実施。裁判員6人のうち5人が事件当時の行動などについて次々に説明を求めた。順番を決めた様子もなく、約15分間で7回質問し、挙手せずに発言する人も。女性裁判員が感想を述べる場面もあった。 法廷では被害女性のプライバシーへの配慮が随所に見られたが、検察側の証拠調べの際、被害者の自宅周辺の地図が傍聴席から見える大型モニターに一瞬映るトラブルも。青森地検は「冒頭でもたついた」と釈明した。 審理対象は住所不定、無職田嶋靖広被告(22)。2006年の強盗強姦事件で、被害者が帰宅した際、窃盗目的で忍び込んでいた被告が室内に隠れたことに、女性裁判員が「どうして逃げなかったのか」と聞くと、被告は「足がすくんで動けなかった」と説明。女性裁判員は「あなたが逃げていたら事件は終わっていたと思う」と漏らした。 法壇に向かって一番右の男性裁判員は、2件目の強盗強姦事件で使われた手錠について「入手方法と時期が分かれば教えていただけますか」と質問。被告は「物心ついたときから家にあった」と述べた。 弁護人は被告人質問の中で、被告が被害者に包丁を突きつけたとする検察側の主張を否定するため事件を再現した写真を示し「(検察側主張に)違和感はないでしょうか」と裁判員に語り掛けた。検察官も、質問の合間に裁判員に顔を向けて様子をうかがい、常に6人を気にしていた。 【共同通信】
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