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裁判員裁判:初の性犯罪審理の公判 青森地裁で始まる

 全国で初めて性犯罪を審理する裁判員裁判の公判が2日午前、青森地裁(小川賢司裁判長)で始まった。裁判員は男性5人、女性1人の計6人。ワイシャツやカジュアルシャツ、ジーンズなど、それぞれの服装で審理に臨んだ。被害者のプライバシーを保護するため、検察側は被害者の名前や年齢を伏せて起訴状を読み上げた。

 審理の対象は、住所不定、無職、田嶋靖広被告(22)。今年1月にアパートへ押し入り、女性に性的暴行を加え、現金約5万円を奪うなどした2件の強盗強姦(ごうかん)罪など四つの事件で起訴されている。

 小川裁判長は検察側の起訴状朗読前に、性犯罪の被害者について「被害者保護のため、Aさん、Bさんとして、住所と年齢は読みません」と田嶋被告に説明。検察側は説明通り名前を「A」「B」と表現し、住所も「青森県内」にとどめた。

 田嶋被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。小川裁判長が「この法廷では被告も(被害者の)名前を口にすることは絶対にしないでください」と確認すると、うなずいた。

 続いて検察側が冒頭陳述で「女性の人格を無視した卑劣な犯行」と悪質さを強調すると、女性裁判員が大きくうなずいた。証拠調べでは、「被害者のプライバシーのため」と説明して傍聴席から見える大型ディスプレーの電源を切った。事件を再現した写真が示されると、モニターから目を背ける男性裁判員もいた。

 裁判員は無作為に選ばれる仕組み。1例目の東京地裁では女性5人、男性1人(途中で体調不良になった女性1人が男性補充裁判員と交代)が担当。2例目のさいたま地裁では6人全員が男性だった。性犯罪の審理で性別が偏れば、判決に影響するという指摘も出ていた。

 1日に候補者から裁判員を選ぶ選任手続きがあり、裁判員6人と補充裁判員3人が決まった。補充裁判員は男性1人、女性2人。【喜浦遊、山中章子】

毎日新聞 2009年9月2日 11時32分(最終更新 9月2日 13時01分)

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