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消費者庁、波乱の船出 住田弁護士が監視委員辞退

2009年9月1日5時3分

 消費者行政を一元的に担う消費者庁が1日発足する。しかし、消費者庁を監視する消費者委員会の委員長になる見通しだった住田裕子弁護士が委員就任を辞退するなど、波乱含みのスタートだ。

 全く新しい中央官庁としては71年の環境庁(現・環境省)以来。1日は野田消費者行政担当相による事務所の看板除幕式や訓示、初代長官に就任予定の内田俊一・元内閣府事務次官の記者会見がある。

 有識者による消費者委員会(10人以内)の初会合も開かれ、互選で委員長が決まる予定。住田氏は野田担当相から委員長含みで消費者委員会設立準備参与に任命されていたが、31日までに「一身上の都合」で委員就任を辞退した。内閣府は説得を続けたものの、本人の意思が固く断念したという。

 住田氏については、これまで各地の弁護士会や消費者団体から「消費者問題に詳しくない」などの理由で、人選について見直しを求める声が上がっていた。委員長就任についても、他の設立準備参与から「互選なのに、あらかじめ決められているのはおかしい」との批判があった。

 一方、民主党は長官人事などについて、「旧来型の官僚主導で進めることは極めて不適切」と反発。総選挙前から再考を求めている。

 消費者庁は、ガス瞬間湯沸かし器中毒事故や中国製冷凍ギョーザ事件など、製品や食品の事故に対応が後手に回った「縦割り行政」への反省から設立された。

 生活に身近な約30の法律を所管し、行政処分・指導や、他省庁への措置要求・勧告をする。各省庁が課題にバラバラに対応して起きる「たらい回し」や、規制する法令のない「法のすき間」の解消を目指す。消費者行政を一元的に担い、「司令塔」としての役割が期待されている。

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