フリーランス英独翻訳者を目指す化学系元ポスドクのメモ

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白水社「ニューエクスプレス」でノルウェー語の勉強を開始

これまでも書いてきたが、仕事で使う英語とドイツ語以外に、中国語とスペイン語の学習歴がある。
大学で研究を続けるつもりだったので、留学生の母語を一つでも多く知っていた方がよいと思ったからだ。
少しやってみましたという程度で、会話を理解したり、新聞を読むにはまだまだだ。

そして最近は、捕鯨関係のニュースを読みたくて、アイスランド語とノルウェー語のテキストを買った。
両国とも去年は日本に鯨肉を輸出したのだが、現地報道でクジラの種や鯨肉の量を確認できたのはよかった。
ただ、まだ文法を系統的に勉強していないため、ごく一部分の語句のみ理解しただけであった。

今年も両国が日本に鯨肉を輸出しようとしているため、現地報道を確認するには両言語の知識が必要だ。
同時に勉強するのは大変なので、比較的楽なノルウェー語を先に勉強することにした。

ノルウェー語を学ぶ利点としては、知識をデンマーク語とスウェーデン語の学習に応用できることだ。
私が学ぶノルウェー語の一つの形態であるブークモールは、デンマーク語的色彩が強いものだ。
また、ノルウェーは独立前にスウェーデンとも連合を組んでいたので、共通する単語もあるから楽だ。

デンマーク語の理解に役立つならば、捕鯨関係では、フェロー諸島とグリーンランドの新聞が読めることになる。

趣味で勉強するので急ぐわけではないが、今後の捕鯨関係情報をブログで紹介できるようになりたいものだ。
ただ、日本で報道されない情報を私の好意で無償提供しているのに、ごく一部の人は感謝する気がないようだ。
勘違いコメントを投稿する人は無視して、個人の趣味のブログなのだから、マイペースで勉強を続けよう。


そして、複数のテキストの中から、白水社の 「ニューエクスプレス ノルウェー語」 を選んだ。
http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=06799

新聞を読むのが目的ならば、最初から文法中心のテキストでもよかったが、会話から入った方がやりやすい。
日常生活に関連する会話を使う方が、言葉の持つ意味を体感した雰囲気になるので理解しやすい。
身の回りのことの表現から徐々に幅を広げて、ノルウェー産鯨肉の記事を読むまでになりたいものだ。

今日は初日ということで、ノルウェー語の発音の基本について、CDを繰り返し再生して確認した。
子音では例えば、語頭の hv- では h を発音しない。
すると、クジラ hval は、「ヴァール」 と読むわけだ。


外資系メーカーの翻訳プロジェクトは10月に始まるので、9月中はノルウェー語の勉強を進めよう。

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分析生データの提出要請に応じない研究者がいるなんて(JOC Editorial から)

私の本業は、製薬メーカー子会社での有機合成研究職である。
新規化合物の合成もするが、対照薬合成という他社特許化合物の合成が主体である。

既知化合物ならば簡単だろうと言われそうだが、特許や論文の合成法の再現性チェックはあなどれない。
追試で否定された論文のこともあるが、特許では再現できないようにわざと書くこともある。
「熟練した有機合成化学者」 であると自負するならば、そういったウソやごまかしに気づく能力も必要だ。

追試で確認された合成法のみ収録した Organic Sytheses (OS) というシリーズ本がある。
追試者の詳細なコメント付きなので、この本だけは、再現性について最初から全面的に信用してもいい。
http://www.orgsyn.org/

最近の捏造論文事件を受けて、学術雑誌でも生データの提出を求めるなど、審査が厳しくなってきた。
有機合成の専門誌 The Journal of Organic Chemistry (JOC) でも、スペクトルチャートの提出を求められる。
分析データの検討も厳格で、誤りが指摘されたり、追加データの提出が求められることもある。
この厳しい姿勢は、JOC を OS レベルの信頼性の高い雑誌にするために必要なことだ。


そして、今年の JOC の No.17 を見たところ、最初に編集部からの意見が掲載されていた。
タイトルは "Reporting Analytical Data" で、分析データの提出要請に応じない研究者がいると書いている。
http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/jo901699f

2008年に編集部は15編の論文について、オリジナルデータを示さなかったために審査過程から除外した。
化合物の組成を示す高分解能マススペクトルや元素分析について、その生データが出せないのはあやしい。

ここまではよくある話だが、却下された論文のうち13編が、今年6月までに他の雑誌に掲載されたという。

うち6編では、分析データが化合物の構造と合致するものに置き換えられていた。
残り7編では、データはそのままだったり、別の分析法のデータになっていたり、不十分であった。

しかも4編では、JOC が却下してから数日以内に、他誌に投稿されていた。
つまり、分析データの不備を修正せずに、審査が甘い雑誌にそのまま投稿したということだ。
そんな論文が出回っているのだから、利用する我々には、追試で不備を見抜く能力が必要だ。

分析データの不備で却下した論文の数、そして他誌に再投稿してパスした論文の数は少ないものの、
著者の約3分の1が、JOC の指摘を無視して再投稿したことは、若手研究者の見本にならず、問題である。


JOC の論文は信頼性が高いことを再認識したが、他の雑誌では論文取り下げの発表が時々見られる。
最近も特許実施例のごまかしを見つけたので、これからも自分の腕を信じて再現性チェックを続けよう。

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ドイツ・アッセ放射性廃棄物貯蔵施設でプルトニウム保管量を約3倍に訂正

放射性物質を含む廃液が漏れるなど、様々な問題が発覚したドイツ・アッセ放射性廃棄物貯蔵施設で、
今度はプルトニウム保管量の記録間違いが見つかり、9.6 kg から約3倍の 28 kg に訂正された。

ドイツ環境省(BMU)のプレスリリース(8月29日)は次の通り。
http://www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/44845.php

この発表に関するドイツ国内の報道は次の通りで、9月の総選挙への影響にも言及している。
http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/0,1518,645822,00.html
http://www.newsclick.de/index.jsp/menuid/7534512/artid/10873440
http://www.sueddeutsche.de/politik/407/485829/text/

岩塩鉱山跡に作られたアッセの施設は、Helmholtz Zentrum München が管理していたのだが、
今年初めから連邦放射線防護局(BfS)が管理を引き継いでいる。
http://www.bfs.de/de/endlager/asse

放射性物質を含む廃液が漏れたり、水没する可能性など、いろいろと発覚してきたが、
今度は、細心の注意を払うべきプルトニウムの保管量を間違えていたのだ。

「伝達ミス」 としているが、するとこれまで、18.4 kg のプルトニウムが行方不明だったわけだ。
プルトニウム量の把握では誤差の問題もあるが、これだけの量を気づかずにいたのは危険なことだ。

アッセの施設は最終処分場として作られたが、このままだと使えないことになるかもしれない。


クルメル原発のことも含めて、これで反原発の動きが再度活発となり、9月の総選挙でも争点になるだろう。
SPDは老朽化した原発の延命に反対しており、CDUと対立することは確実で、今のような連立は無理だ。
もしドイツ国民の大半が反原発でまとまれば、新政権で原発廃止が加速するかもしれない。

サハラ砂漠で太陽光発電をして送電する計画があるが、原発を廃止するためにも、実現可能性が高まった。
長距離送電では約15%の損失があると言われているが、原発を全廃できるなら容認されるだろう。

ドイツの原子力関係施設でも、うっかりミスでは済まされないことが続いている。
日本の原発推進派は、「日本は違う」 と言い張るのだろうか。

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Trifidnebel

Trifidnebel  m. (trifid + Nebel)
三裂星雲(メシエ20,M20,NGC 6514)
engl.: trifid nebula

trifid はラテン語の trifidus (dreigeteilt, dreigespalten)から。
暗黒星雲により星雲が3つに分割されているように見えることに由来。

Der Trifidnebel wurde erstmals vom französischen Astronomen Charles Messier im Juni 1764
beobachtet, der ihn als 20. Objekt in seinen Katalog eintrug. John Herschel bemerkte rund 60
Jahre später dunkle Staubschwaden, die den Nebel in drei Teile zu teilen schienen. Deswegen
nannte er ihn Trifidnebel, nach dem lateinischen Wort trifidus für dreigeteilt.
「三裂星雲は、フランスの天文学者シャルル・メシエによって1764年6月に初めて観測され、メシエはこれを
自身のカタログに20番目の天体として登録した。ジョン・ハーシェルは約60年後に、この星雲を3つの部分に
分割しているように見える暗いダストに気づいた。そのためハーシェルは、三分割された、というラテン語の
trifidus からとって、その星雲を Trifidnebel(三裂星雲)と命名した。」
("LA SILLA: Drei Nebel in einem Bild", astronews.com, 26. August 2009,
http://www.astronews.com/news/artikel/2009/08/0908-027.shtml

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ノルウェーの捕鯨は捕獲枠を下回る予測だが鯨肉は余っている

アイスランドとノルウェーでは商業捕鯨を行っているが、日本ではあまり報道されない。
何度も書くが、「クジラのことなら何でもわかる」 という 「鯨ポータル・サイト」 にもほとんど出ない。
それで外国語記事を読むため、英語とドイツ語に加えて、ノルウェー語とアイスランド語もかじっている。
まあ、情報量は英語が一番多いので、英語記事を中心にチェックしている。

ロイター通信では、今季のノルウェーの捕鯨が、捕獲枠を満たさずに終了する見込みだと伝えた。
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE57Q0PL20090827

今季のミンククジラ捕獲枠は885頭に設定されているが、報道時点で481頭であり、
8月31日の最終日までにあと3頭から4頭捕獲可能だというので、485頭となりそうだ。

500頭を下回るのは、1996年が388頭、2000年が487頭で、今年が3度目となる。
これまでも捕獲枠を満たすことはなく、悪天候や燃料費の問題で捕獲数が減少したことはあった。
今年の場合は、食肉加工工場の資金繰りの問題で、6月に一時的に捕獲を停止したために減少したそうだ。

鯨肉供給量が減ったわけだが、オスロのスーパーマーケットで価格は上がっていないそうだ。
キロ当たり130NOK(約2千円)で、冷凍サーモンやタラ並で、牛肉やトナカイ肉よりも安いという。
供給が減っても価格上昇圧力がないのは、グリーンピースの指摘通りに需要は少なく、余っているのだろう。


このロイター通信を引用して、共同通信が配信記事を出している。
http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009082701000210.html

【商業捕鯨を実施しているノルウェーの2009年のミンククジラの捕獲高が485頭前後にとどまり、
1996年(388頭)以来で最低になることが確実になった。ロイター通信が26日、報じた。

鯨肉の加工工場が資金繰り難に陥った影響で、6月に捕鯨活動を一時停止したことが主因。

ノルウェーの漁業団体は「鯨肉の国内需要は過去数年変わっていない」と例外的な不振を強調するが、
環境保護団体グリーンピースは「(反捕鯨活動の効果で)鯨肉需要は世界的に減っている。
ノルウェーも例外ではない」と商業捕鯨からの撤退圧力を強めている。調査捕鯨を実施している日本も
守勢に立たされそうだ。】

記者の補足で、【(反捕鯨活動の効果で)】 とわざわざ書いているが、これは言いすぎだろう。
フェロー諸島では、水銀やダイオキシン汚染の問題で鯨肉食を推奨していないから、輸出があてにできない。
それに、鯨肉よりも高い牛肉を食べるということは、消費者の好みが変わったわけで、これは仕方ない。
また、ペットフード工場で保管していたことも発覚したので、食品衛生の観点でも消費者は離れただろう。


安い肉だと言うが、2年前はキロ当たり約 32 NOK だったから、今年は約3倍の値段になっている。
ロイター通信の記事が正しいという前提だが、燃料費高騰が原因なのかどうか調べてみよう。

水産会社の直販ではステーキ用がキロ当たり 95 − 110 NOK とあり、店頭価格 130 NOK は正しいだろう。
http://www.olavsen.com/butikk.htm
http://www.hvalprodukter.no/

(追記:クジラ・イルカ保護団体のWDCSが、ノルウェーの鯨肉についてレポートを出している。
http://www.wdcs.org/submissions_bin/Norway_whaling.pdf

鯨肉の品質や適する料理などで価格は変わるが、2005年のステーキ用がキロ当たり 90 NOK とある。
そしてシチュー用がキロ当たり 70 NOK とある。
ここで例示された会社では、理由は書いていないが、2009年はキロ当たり 110 NOK に値上げしたとある。

ロイター過去記事の価格は約半分だから、ポンド当たりの可能性があり、記載ミスの検証をする必要がある。

価格に関する他の資料は、見つかり次第アップ予定。)


アイスランドではミンククジラ捕獲枠を倍増しており、余ったら日本に輸出したいとしているが、
ノルウェーも、余った鯨肉を日本に売りたいと言い出すだろうか。


【調査捕鯨を実施している日本も守勢に立たされそうだ】 とあるが、「需要はある」 が前提なのか。
統計では、日本人1人当たり年間30gの鯨肉を食べているそうだが、ここでは平均値はあてにならない。
私のように0gの人は多いのだから、せめて標準偏差を示して、他の食肉の表記に合わせてほしい。
需要が偏在している鯨肉の統計では、最大値と中央値を示すことも必要だと思われる。

また日本では、「鯨肉の価格が高いから需要が伸びない」 とよく言われるが、
ノルウェーで牛肉よりも安い鯨肉が余っていることを参考にして、要因分析をやり直してほしいものだ。

日本への輸出の可能性など、今後の動向もチェックしておこう。


追記(8月31日):
ロイター通信記事の元になったと思われるノルウェー国内の報道は次の通り。
http://www.abcnyheter.no/node/94556

ロイター通信では、グリーンピースの意見や、鯨肉価格の情報が追加されている。
ロイター通信の記事に引用されていない部分は、日本への輸出に言及している点だ。
関係者の話として、日本への輸出が成功しなければ鯨肉市場が完全に消滅するだろう、とある。

アイスランド語よりはノルウェー語の方が楽なので、今年は翻訳がない日はノルウェー語の勉強をしよう。

(最終チェック・修正日 2009年08月31日)

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