厳しい開票状況について話す麻生首相=30日午後10時40分、東京・永田町の自民党本部、越田省吾撮影落選が決まり、支持者らに頭を下げる海部俊樹氏=30日午後9時27分、愛知県美和町、加藤丈朗撮影東京1区で落選し、支持者に頭を下げる与謝野馨氏=30日午後11時47分、東京都新宿区、諫山卓弥撮影小選挙区で落選し、支持者に頭を下げる中川昭一氏=帯広市、吉本美奈子撮影京都1区での落選が決まり、ぼうぜんとする伊吹文明氏=30日午後9時54分、京都市中京区、高橋一徳撮影落選のおわびを述べ、支持者に頭を下げる山崎拓氏=30日午後9時16分、福岡市中央区春吉、柏木和彦撮影東京12区の民主党候補の当選を伝えるテレビを見る公明党の太田代表=30日午後11時45分、東京都新宿区の党本部、松本敏之撮影
30日投開票の総選挙で、民主党は記録ずくめの圧勝となった。獲得議席数は単独政党で過去最多となり、議席占有率も戦後最高に。その半面、惨敗した与党では、元首相や派閥の領袖(りょうしゅう)、閣僚経験者が相次いで落選。小選挙区比例代表並立制に変わった96年の総選挙以来、自民党が負け知らずの選挙区でも、次々と民主党に議席を明け渡した。
民主党は小選挙区(定数300)と比例区(同180)合わせて308議席を確保し、衆参同日選だった86年の自民党が得た300議席(同512)を上回った。議席占有率でも、過去最高だった60年の63・4%を超えることが確実となった。前回は52人だった小選挙区での当選者は4倍を超え、過去最多の221人に達した。
一方、前回05年総選挙の小選挙区でこれまで最多の219議席を獲得した自民党は激減。64議席と3割以下になった。比例区を合わせても119議席にとどまる歴史的惨敗を喫した。
公明党は、太田代表や北側一雄幹事長をはじめ全8選挙区で議席を失った。そのほか、社民、国民新両党が3議席、みんなの党も小選挙区で2議席を確保。新党日本は田中康夫代表が兵庫8区で公明党の冬柴鉄三元幹事長を破って当選を果たした。
首都圏と大阪、兵庫の6都府県(計102小選挙区)の都市部でみると、民主党の87に対して自民党は11。前回、与党は都市部で94勝7敗と民主党を圧倒したが、今回は正反対の結果となった。
小選挙区で1人の当選者もいない自民党の「空白県」は前回、山梨県のみだったが、今回は埼玉、長野、滋賀、沖縄など13県で生まれた。
結党以来の大敗北となった自民党は、大物議員の落選が相次いだ。17選を果たせなかった自民党の海部俊樹元首相は、首相経験者としては石橋湛山氏以来46年ぶりの落選。笹川尭総務会長や堀内光雄元総務会長、山崎拓元幹事長も苦杯をなめた。そのほか、中川昭一前財務相、中山太郎元外相、尾身幸次元財務相、島村宜伸元農水相らも落選が確定。町村信孝前官房長官や小池百合子元防衛相のほか、与謝野財務相、野田消費者行政担当相、佐藤総務相らの現職閣僚も小選挙区で落選した。
国民新党の綿貫代表は、比例北陸信越ブロックで同党の議席がゼロだったため、落選した。