西日本新聞

永住外国人政権交代にらみ期待 「参政権を」民団本腰 初めて候補者の活動支援

2009年8月29日 01:17 カテゴリー:政治

 在日コリアンなど国内に永住する外国人の地方参政権獲得を推進しようと、在日本大韓民国民団(民団)が、今回の衆院選で初めて候補者の選挙活動支援に取り組んでいる。外国人の地方参政権は自民、民主両党のマニフェスト(政権公約)に記載はなく、選挙戦でも大きな議論にはなっていないが、民団福岡県本部は「政権交代を懸けた歴史的選挙だが、われわれにとっても重要な選挙だ」と力を入れている。

 民団中央本部(東京)によると、民団は1994年、地方参政権獲得活動を最優先課題に掲げた。各党や国会議員への要望活動を続け、地方議会にも早期実現を求める意見書を提出するなど選挙以外では積極的に取り組んできた。

 そして今年2月、近づく衆院選を踏まえ「16年にわたる活動の成果を出す勝負の年」(同本部幹部)と位置付け、全国の代表者が集まった大会で、賛同する候補者の選挙支援を決定した。

 中央本部の地方参政権獲得運動本部の徐元〓(ソウォンチョル)事務局長は「先進国の中では永住外国人に地方参政権を与えていないのは日本だけ。納税し共生する外国籍の人たちを地域住民として認識してほしい」と話す。

 福岡県本部では衆院解散後の8月上旬、県内各支部代表を集めた緊急会議を開き、活動の具体的内容や公職選挙法について研修を行った。選挙戦突入後は名簿作成やポスター張り、電話での投票呼び掛けなどの事務作業でサポートし、人脈を生かして支援を呼び掛ける活動を続けている。

 17日に東京の日本記者クラブであった主要政党の党首討論会では、民主党の鳩山由紀夫代表が「もっと前向きに考えるときが来ている」と発言。これに対して麻生太郎首相は「自民党として全面的に賛成しているわけではない」と述べた。

 福岡県本部は「候補者が賛同するならば党派に関係なく支援する」としているが、同県内では主に民主、公明両党の候補者が地方参政権付与に前向きな考えを示しているため、小選挙区・比例代表ともに両党の候補者が支援の対象。

 同本部の宋一柱(ソンイルチュ)副団長は「今回の衆院選は、悲願だった参政権を得る最後の機会かもしれない。有権者ではない私たちも、できる限りバックアップをしたい」と話す。

 一方、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)福岡県本部は「日本での地方参政権は基本的に不要との考えだが、個人的な関係で候補者を支援するのは自由」としている。

=2009/08/29付 西日本新聞朝刊=

おすすめ情報【PR】
アクセスランキング
  1. 「覚せい剤半年前から」 使用容疑 ...写真付記事
  2. 九州道通行止め 渋滞損失13億円 九...
  3. ひき逃げ容疑警官 現場にブレーキ痕...写真付記事
  4. 高齢者 「痛み」我慢できない ’0...写真付記事
  5. 黒沢映画祭、今年は中止 伊万里市、...写真付記事
おすすめ情報【PR】
天気・交通情報
九州・山口の天気 福岡の天気 佐賀の天気 大分の天気 長崎の天気 熊本の天気 宮崎の天気 鹿児島の天気 九州・山口の天気 交通情報
九州のりものinfo.com
イチオシ! 特集記事
玉竜旗剣道大会 【金鷲旗・玉竜旗】全日程終了!
金鷲旗 動画( 男子 女子
玉竜旗 動画( 男子 女子
金鷲旗玉竜旗大会の写真を販売中
 【音楽】NNP第三弾CD(Bottom)発売中!
 【野球】中京大中京が優勝!全国高校野球
 【選挙】09’衆院選特集
 【花火】九州の花火大会
注目コンテンツ
47CLUB探検隊

旬どら・シャーベット&アイス (福岡県 あおき・ふるーつ)

[美味しいフルーツのお菓子] あおき・ふるーつ(「旬どら」・シャーベット&アイス) 旬のフルーツで作ったどら焼き「旬どら...

>> 記事を読む

>> 47CLUB探検隊へ