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米紙に寄稿の「鳩山論文」相次ぎ批判 米国内の専門家ら

2009年8月29日3時8分

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 【ワシントン=伊藤宏】民主党の鳩山代表が27日付の米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)に寄稿した論文をめぐり、米国内に波紋が広がっている。「米国主導」の世界経済の体制を批判的にとらえ、アジア中心の経済・安全保障体制の構築を強調した内容が、米側の目には「現実的でない」と映るようだ。専門家らの間には日米関係の今後に懸念を抱くむきもある。

 鳩山氏は論文のなかで、「冷戦後、日本は米国主導の市場原理主義、グローバリゼーションにさらされ、人間の尊厳が失われている」と指摘。自ら掲げる「友愛」の理念のもと、地域社会の再建や、東アジア地域での通貨統合と恒久的な安全保障の枠組みを作る考えを強調した。

 これに対し、日本政治に詳しい米外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員は27日、朝日新聞の取材に「グローバリゼーションは米国式の資本主義、との批判だが、これはG20における日本の役割にとって、何を意味するのか。民主党政権は国際通貨基金(IMF)体制の支援から離れて、他の体制を見いだすのか。経済再生の努力から優先順位を移すのか。米ドル体制の支援とは、別な立場をとるのだろうか」と疑問を投げかけた。

 元米政府関係者は「オバマ政権は、(鳩山氏の)論文にある反グローバリゼーション、反アメリカ主義を相手にしないだろう。それだけでなく、この論文は、米政府内の日本担当者が『日本を対アジア政策の中心に据える』といい続けるのを難しくするし、G7の首脳も誰一人として、彼の極端な論理に同意しないだろう。首相になったら、評論家のような考え方は変えるべきだ」と批判した。

 別の元米政府関係者も「グローバリゼーションについての米国への批判は一方的に過ぎるし、日米同盟の重要性に触れたくだりも、非常に少ない。鳩山氏はもっと日米関係に理解のある人だと思っていたが、変わったのだろうか」と話す。

 ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストは、いずれも27日付で、日本の総選挙に関する記事を掲載。いずれも民主党が勝利して政権交代が起きる可能性が高いことを伝える内容で、今回の総選挙に関する米国の関心の高さを示している。

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