地域医療を担う病院が閉鎖や統合を迫られる事態が相次ぐ中、県保険医協会(太田志朗理事長)が30日午後1時、「まちの病院がなくなる」と題した討論会を守山市浮気町の「Rise Ville都賀山」で開く。財政破綻(はたん)した北海道夕張市で医療再生に携わった研究者と県内の医師が医療再生策について討論する。無料。
自治体病院の医師不足は県内でも深刻で、県によると、08年4月には水口市民病院(甲賀市)が診療所に規模を縮小。合併で二つの市民病院を抱える東近江市では現在、市内の国立病院機構滋賀病院を中核に市立2病院を縮小させる方向で検討。夜間の小児救急外来に対応できる病院が減り、拠点病院に患者が殺到している。
討論会の基調講演では、夕張市立病院の再生計画に携わった城西大経営学部の伊関友伸准教授が、住民と共同で医療再生に取り組む全国の先進事例などを紹介。討論会で県内の医師らが勤務医の労働実態を報告し、医師の待遇改善や医学部生の育成などを話し合う。
同協会事務局(077・522・1152)は「市民と危機感を共有し、地域医療のあり方を一緒に考えたい」と参加を呼びかけている。【安部拓輝】
毎日新聞 2009年8月27日 地方版