5月27日に台湾でエイベックス主催のクラブイベント「HOUSE NATION」が開催された。現地でも人気のある歌手の鈴木亜美が「DJ」として出演したこのイベント、入場者は約2400人、地元や日本の40以上のメディアが取材に訪れるなど盛況だった。

 90年代からユーロビート、トランスなど、ダンスミュージックを次々と仕掛けてきたエイベックス。そのビジネスモデルは、コンピレーションCDと関連パーティーの2つが柱だった。しかし、07年にハウス人気を定着させるために立ち上げたプロジェクト「HOUSE NATION」は新たな収入源を狙っている。それが女性DJのマネジメントビジネスだ。

 「HOUSE NATION」は立ち上げ当初、パーティーはブランド浸透のため投資対象で、CDのセールスで回収するモデルだった。それが現在は、パーティーがCDとほぼ同じ規模の収益をあげるぐらいにまで伸びているという。

 プロジェクトを取り仕切るエイベックスの平松圭洋楽制作部副部長は「次のステップとして関連パーティーで活躍する女性DJのスター性を高めたい。彼女たちをショーやイベントに出演させる、マネジメントビジネスをCDとパーティーに並ぶ規模まで育てたいと思っています。実績を出し始めた鈴木亜美やYUMMYなどに続き、DJに興味のあるモデルやタレントを育成しています」と語る。

HOUSE NATIONを支える女性DJ

鈴木亜美(画像クリックで拡大)

YUMMY(画像クリックで拡大)

台湾でのイベントでは2人の女性DJが会場を盛り上げた。鈴木亜美は「現在は、誰もが同じ楽曲を聴くことが減る一方、ネットなどで楽曲の情報が増えた分、自分だけの新しい音を求めるようになっている。そんな時代にDJの存在はマッチしている」と話す。DJという仕事に大きな手ごたえを感じているようだ