医療機器55件の保険適用を了承―中医協
中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の総会が8月26日に開かれ、医科と歯科を合わせて55件の医療機器の新規保険適用(1日から)のほか、19日の先進医療専門家会議で承認された先進医療「リアルタイムPCRを用いた迅速診断」の科学的評価結果の報告を受け、いずれも了承した。
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承認された55件の医療機器はそれぞれ、医科が区分A2(特定包括)が27件、区分B(個別評価)が23件、歯科では区分A2が1件、区分Bが4件だった。
医科の区分A2では、眼圧計の「アイケア」(エムイーテクニカ)、体外型心臓ペースメーカーの「オスピカ PACE203H」(平和物産)、パルスオキシメーターの「ほっとパル」(チェスト)など。区分Bでは、固定用金属線(2)大転子専用締結器の「アキュメッド テンションバンド」(小林製薬)、人工弁輪の「IMR ETlogixリング」(エドワーズライフサイエンス)、髄内釘(1)髄内釘(2)横止め型の「ターゴンPH−Pネイルシステム」(ビー・ブラウンエースクラップ)など。
歯科の区分A2では、歯科エックス線撮影デジタル映像化処理装置、歯科パノラマ断層撮影デジタル映像化処理装置の「Gスキャン7400」(ケアストリームヘルス)、区分Bでは、歯科充填用材料Tの「カリスマオパール」(ヘレウスクルツァージャパン)、歯科用合着・接着材料T(粉末・液)の「マルチリンク」(Ivoclar Vicadent)などの保険適用がそれぞれ了承された。
また、19日の先進医療専門家会議で承認された「リアルタイムPCRを用いた迅速診断」の科学的評価結果も報告された。
免疫抑制状態の患者がウイルス感染した場合、重篤な症状を引き起こす可能性があったり、治療の遅れが後遺症につながったりすることもあるため、早期の確定診断や治療が重要だ。免疫抑制状態などの場合、典型的な皮膚症状の水疱が現れないこともあり、従来の診断法では鑑別診断が難しかったが、「リアルタイムPCR」は水疱だけでなく、びらんや潰瘍などの病変からも診断可能。従来の血中抗体価測定法では、急性期(発病初期)と回復期(発病2、3週間後)の両方の血清(ペア血清)を測定するため、確定診断まで時間がかかったが、リアルタイムPCRでは2時間半と大幅に短縮できる。
このほか、昨年度の社会医療診療行為別調査の結果と厚生労働省保険局が行った月別調査「メディアス」とのデータ乖離をめぐり、5日の診療報酬基本問題小委員会で報告されたワーキンググループの検証結果について、厚労省側が中間報告を行った。
更新:2009/08/26 16:18 キャリアブレイン
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