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田母神元空幕長:広島平和式典「被爆者も2世もいない」

応援演説に立った田母神氏=宮崎市で2009年8月25日、石田宗久撮影
応援演説に立った田母神氏=宮崎市で2009年8月25日、石田宗久撮影

 田母神(たもがみ)俊雄・元航空幕僚長は25日、衆院宮崎1区に立候補している無所属前職の応援演説で宮崎市を訪れ、広島原爆の日の6日に広島市で開催された平和記念式典の列席者について「被爆者も2世もいない。左翼ばかりだ」などと述べた。これに対し、広島、長崎の被爆者からは批判の声が上がっている。

 田母神氏は演説で6日に広島市で講演したことを紹介。さらに平和記念式典について「慰霊祭は左翼運動。あそこに広島市民も県民もほとんどいない。原爆の被爆者も2世もいない。並んでいるのは全国から集まった左翼。一部政治勢力が日本弱体化を図っている」などと述べた。

 広島市によると、式典参加者は約5万人。会場には被爆者や遺族のための席も2000以上準備されている。 長崎原爆被災者協議会の谷口稜曄(すみてる)会長(80)は「原爆犠牲者に対して失礼だ。式典には歴代首相が参列して恒久平和と核兵器廃絶を誓っているのだから、日本政府はきちんと田母神氏に抗議すべきだ」と話した。

 広島県被団協の坪井直理事長は「広島の平和記念式典は被爆者が平和宣言を聞き、亡くなられた方々に献花などする場。田母神氏の発言は実証がないのに人を扇動するばかりだが、何の効果もない。騒ぐ必要はないだろう」と話した。

毎日新聞 2009年8月25日 21時10分(最終更新 8月25日 21時17分)

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