米原子力空母「ニミッツ」が横須賀基地に寄港、北朝鮮をにらむ動きを分析しました。
アメリカ海軍の原子力空母「ニミッツ」が横須賀基地に寄港しました。
沖縄の嘉手納基地には、弾道ミサイル発射監視機「コブラボール」なども集結していて、北朝鮮をにらむアメリカの動きを専門家が分析しました。
23日、韓国・ソウルで行われた金大中(キム・デジュン)元大統領の国葬。
アメリカのオルブライト元国務長官ら各国高官が参列する中、北朝鮮の弔問外交が注目を集めた。
韓国の李明博(イ・ミョンバク)は「金総書記は、この前のテレビでは、健康なように見えましたが」と語った。
これに対し、北朝鮮の金朝鮮労働党書記は「健康です」と応じた。
李明博政権発足後、激しい批判を繰り返してきた北朝鮮だが、会談では一転、関係改善のムードを演出した。
この会談から一夜が明けた24日、アメリカ海軍・横須賀基地では、注目すべき動きがあった。
軍事評論家の岡部 いさく氏は「アメリカ海軍の原子力空母『ニミッツ』が横須賀基地に入港します。前回の北朝鮮の核実験の時も、アメリカ軍は、特にこの近くに兵力を展開しませんでした」と話した。
ニミッツ艦隊司令官のミラー少将は「今回の訪問は、日米がいかに親密な関係かを示す象徴だ」と語った。
横須賀基地を事実上の母港とし、現在は南太平洋に出航中の空母「ジョージ・ワシントン」の穴を埋めるように入港したニミッツ。
今回の寄港で、ある狙いが浮かび上がってきた。
軍事評論家の岡部 いさく氏は「ニミッツの寄港は、北朝鮮への軍事的圧力とばかりに割り切れるものでもないようです。今、アメリカと北朝鮮の間では、複雑な駆け引きが行われているんじゃないでしょうか」と話した。
複雑な駆け引き。
実は、8月17日から始まった米韓合同軍事演習に対し、北朝鮮は「制裁には、無慈悲な報復で、対決には、全面対決で応える。それが、わが軍隊の変わらない立場だ」と、激しく非難している。
しかし、軍事行動では対応せず、弔問外交で融和的な態度を見せた。
この変化の裏には、何があったのか。
一方のアメリカは、沖縄の嘉手納基地にはコブラボール、弾道ミサイル発射監視機など最先端の目が集結している。
そして24日、横須賀港に寄港した空母のニミッツ。
北朝鮮の何らかの動きをアメリカ軍は警戒しているのか。
軍事評論家の岡部 いさく氏は「今、北朝鮮は、アメリカや韓国に対して、関係修復を図ろうかとしているような動きがあります。アメリカは、北朝鮮の動きの一挙手一投足に敏感に反応するのではなく、しかしこのように兵力を展開して、じわりと締めつけている、そんなことが考えられるんじゃないでしょうか」と話した。
日本にも影を落とす米朝の駆け引き、その行方はどこにあるのか。
(08/25 00:40)