カブール(CNN) アフガニスタン大統領選の投票が行われた20日、同国南部カンダハル州で、イスラム強硬派タリバーンが少なくとも有権者2人の指を切り落としていたことが、選挙監視団体「自由公正選挙基金」の関係者の発言で22日分かった。
選挙では重複投票を防ぐため、投票を済ませた有権者の指にインクがつけられていた。タリバーンは女性2人の指にインクがついていたため、これを切り落としたという。
タリバーンが投票日前から選挙妨害を明言していたため、タリバーンの拠点である南部各州などでは、有権者が恐怖のあまり投票を棄権する動きがみられた。投票数日前、米海兵隊と北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)は軍事作戦を実施し、有権者の安全確保に向けて厳戒態勢を敷いた。
投票日当日には全国各地で散発的な攻撃があり、26人が犠牲になった。ただしアフガン当局は投票が成功したとの認識にあり、欧州連合(EU)も21日、困難な状況下での選挙実施を評価する声明を発表している。
選挙管理委員会の関係者が21日語ったところによると、開票は34州中30州で完了した。最初の暫定結果は25日に発表され、来月5日から1カ月間、選挙に関する苦情や異議の申し立て期間が設けられる。
再選が予想されているカルザイ大統領(パシュトゥン人)と、アブドラ前外相(タジク人)の両陣営は、いずれも優勢を主張している。