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課題山積のアフガニスタン 記者が取材
20日に投票が行われたアフガニスタンの大統領選挙は、現職のカルザイ大統領の再選が有力とみられている。しかし、治安や汚職の問題、国家の命運を握るとも言える反政府勢力「タリバン」とどう向き合うのかなど課題は山積している。外報部・矢岡亮一郎記者が取材した。
投票日前、タリバンによるテロが首都・カブール中心部でも相次ぎ、カルザイ政権の治安対策が機能していないことを国際社会に露呈する形となった。泥沼化するタリバン掃討作戦で、国軍や駐留軍の兵士が不足する中、警察官は手薄な装備のまま前線に派遣されている。殉職者は去年、1200人を超え、国軍の約5倍となった。警察官の月給は約1万円で、「低い給料で命は張れない」と転職するケースが相次ぎ、人材確保も治安回復の一つのカギとなっている。
「反カルザイ」の有力候補であるアブドラ元外相は、NNNの単独インタビューに対し、「問題は汚職体質だ。致命的だと思う」と、もう一つの課題を指摘した。汚職がまん延するカルザイ政権下では、貧富の差が広がりを見せている。廃墟だったカブールでは高級住宅街の開発が進み、政府や軍の高官ら一部の富裕層が暮らしている。
しかし、最大の課題は国の屋台骨を揺るがすタリバンとどう向き合うかだ。カルザイ大統領は選挙期間中、「(当選後)私の最優先事項は、タリバンとの和解だ」と述べるなどタリバン支持層を意識した発言を繰り返した。また、掃討作戦で一般市民にも犠牲者が出ているとして、最大の後ろ盾であるアメリカに批判の矛先を向けている。
アメリカ・オバマ政権は、外交政策の柱としてアフガニスタン安定のための増派計画を進めている。ただ、成果の見えないカルザイ大統領とは「距離を置いている」とされている。
国の再建に向けて最大の課題であるタリバンの存在。「和解」か「対決」か。国内世論やアメリカとの関係をにらみながら、次の指導者は綱渡りの国家運営を迫られることになる。
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