医療関係者が地域の医療や福祉について考える「地域医療研究会」の全国大会が22日、長野市内のホテルで開幕した。医師や看護師ら約600人が出席。「地域医療の再生」をテーマに、シンポジウムやセミナーなどが開かれた。23日まで。
シンポジウムに参加した滋賀大の宮本憲一名誉教授(地域経済論)は、医療・介護事業を地域産業にする「医療・福祉都市構想」の研究を発表。神戸市が人工島に医療関係の研究所や企業を誘致し、先端医療技術の開発や都市づくりを進めている事例などを紹介しながら、「従来のように公共事業に頼るより、地域活性化につなげられる」と訴えた。
医療・行政関係者と住民でつくる、NPO法人「地域医療を育てる会」(千葉県)の藤本晴枝代表は、地元医師と市民の意見交換会を開催する会の活動を紹介。「市民が情報を得るだけでなく、医師もコミュニケーション能力を高めることができる」と強調した。【大平明日香】
毎日新聞 2009年8月23日 地方版