2009年8月21日23時28分
【ロサンゼルス=堀内隆】メキシコで20日、少しの量なら薬物を持っていても罰せられない新法が施行された。メキシコメディアが伝えた。狙いは警察の汚職防止。少量の所持を合法化してしまえば、それを見逃す見返りに警官がわいろを要求するというメキシコの悪習もなくなる、との読みからの立法措置だ。
この法律によると、持っていても刑事罰の対象にならないのはマリフアナなら5グラム未満、コカインは0.5グラム未満、覚せい剤は0.04グラム未満など。ただし少量の所持が3度見つかった場合は、リハビリを受けなければならない。
06年に就任したカルデロン現大統領のもとで、メキシコの麻薬対策は国内の麻薬組織を掃討する作戦に力点が置かれ、個人が少量の薬物を持っていても現実に刑事訴追されることは少なかった。ただ、その判断は現場の警察官にゆだねられていたため、汚職が起きる余地が大きかった。