開票が始まったアフガニスタンの大統領選挙。誰が当選しても治安の悪化で崩壊状態にある市民生活を立て直せるのかが緊急の課題です。タリバンとアメリカ軍との戦闘に巻き込まれ故郷を追われた人々が暮らすキャンプを取材しました。
20日、投票が行われたアフガニスタンの大統領選挙。武装勢力タリバンが選挙の妨害を宣言し、投票日には全土で襲撃事件が続発、市民9人を含む26人が死亡しました。
アフガニスタンでは去年以降、タリバンとアメリカ軍などとの戦闘が激しさを増し、多くの市民の生活が破壊されています。
「私たちの境遇を見てください」。写真を手に話す男性。写っているのは娘で、戦闘に巻き込まれ、大けがをしたといいます。
今、男性が暮らしているのは、首都カブールの旧市街にある避難民キャンプです。もともとはアフガニスタン南部に住んでいましたが、戦闘が激しくなり、家も農地も捨てて逃げるしかなくなりました。
「ここに来る前は、大きな家に暮らしていました。それを完全に破壊されました」(避難民キャンプの住民)
キャンプには同じような境遇の人々、およそ6000人が暮らしています。
「18歳の娘は殺され、もう1人の娘は腕を失った」(避難民キャンプの住民)
食糧不足に劣悪な衛生環境。しかし、政府は支援するどころか、キャンプ内に元タリバン兵が紛れ込んでいるとして、人々に立ち退きを求めているといいます。
「ほかに行く所はありません」(避難民キャンプの住民)
開票作業が行われている大統領選挙。現職のカルザイ大統領の優勢が伝えられていますが、誰が当選しても抱える問題は山積みです。(21日18:07)