ワシントン(CNN) 米中央情報局(CIA)がブッシュ前政権下で進めていた国際テロ組織アルカイダに対する秘密計画で、指導者らを狙った暗殺計画を米民間警備会社ブラックウォーター(現社名Xe)に委託していたことが分かった。20日付の米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。
アルカイダへの秘密計画は今年、パネッタCIA長官が就任後に存在を知り、議会に報告したうえで中止を指示した。ただ、同社の関与についてはこれまで明らかになっていなかった。
情報筋によると、CIAは01年に始まったこの秘密計画と当局との間に「距離を置く」ため、ブラックウォーターへの業務委託を決めた。同社が関与したのは06年半ばまでだが、その後も別の業務で他業者への委託が続いていたという。ある米当局者によれば、同計画には「数百億ドル」の予算が使われたが、ブラックウォーターに支払われた金額は不明。
報道を受け、CIA報道官は「計画は依然として機密扱いだ」と述べ、詳細についてのコメントを避けた。そのうえで、「パネッタ長官は、対テロ作戦について議会に知らせる時期が来たと考えて報告し、計画がうまくいっていないとの判断で中止に踏み切ったまでだ」と説明している。
ブラックウォーターは、前政権下でイラクでの軍事作戦などに参加していた。07年9月に起きたイラク民間人射殺事件を機に同国からは撤退したが、その後もアフガニスタン作戦にかかわる業務などの受注は続け、今年2月からは社名をXeに変更している。