長崎市の新市立病院建設を巡り、県腎臓病患者連絡協議会(横山靖会長)などが19日、田上富久市長と面会し、市立病院成人病センター(同市淵町)を存続させるよう求めた。
市は、15年度までに市民病院と成人病センターを統合する方針を示している。横山会長は、生涯にわたって週2~3回の頻度で通院しなければならない患者の状況を説明。「市北部の人にとって成人病センターは便利。ぜひ残してほしい」と要望した。
これに対し、田上市長は持続可能な市立病院を建設している経緯を説明。楠本征夫・病院事業管理者も「(合併症など)病気全体を管理するには良い環境になるのではないか」と理解を求めた。
これに先立ち、長崎市は18日、市議会特別委でパブリックコメントを受けてまとめた整備基本計画案を提示。総事業費の概算を約260億7500万円と説明した。しかし、面積単価が目標値(1平方メートル当たり30万円)より高いため、さらに下げたいとした。
また、▽13年の開院後6年間は収益収支で多額の損失が発生するが、その後は減少▽資金収支はほぼ黒字で、運営資金は確保できる--などの開院後10年間の経営シミュレーションも示した。【阿部弘賢】
〔長崎版〕
毎日新聞 2009年8月20日 地方版