いま,見ておきたいウェブサイト
第15回 Google 未来を選ぼう 2009,kees hoort alles | SOUNDCIRCUS Kees Kroot,Swedish Armed Forces - Recruitment 2009
毎年実家から送られてくるお米に虫がわかないほど暑くない天候か続き,このままでは秋の農作物の収穫が大変なことになるのではと心配している今日このごろ,いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた素晴らしいサイトの特徴を,いくつかお話したいと思います。
政治はネットで変わるのか
『Google 未来を選ぼう 2009』
2009年7月13日に公開された「政治家を目指す人との対話を実現し,選挙関連情報をわかりやすく提供する」Googleの新プロジェクト,『未来を選ぼう 2009』です。
プロジェクトの第1弾となる「未来のためのQ&A」は,Googleモデレーター(他のユーザーから質問を募集したり,投票が可能なシステム)を利用して,衆議院議員選挙の立候補予定者に向けた質問をユーザーから募集し,そのなかからユーザーによって決定された上位5つの質問に対し,立候補予定者が映像で回答するというものです(ただし,質問に回答するかは候補者の自由意志。Googleから候補者へ質問の通知も行わないとのこと)。
候補者が回答した動画は,YouTubeの公式チャンネル「日本の政治」で公開されます。
さらに,第45回衆議院議員選挙公示後は,選挙区ごとの候補者データや,「未来のためのQ&A」の回答動画などで構成される,プロジェクト第2弾「第45回衆議院議員選挙情報サイト」の公開を予定しています。
インターネットが変える政治の未来
2008年のアメリカ大統領選挙では,現職のバラック・オバマ大統領がインターネットを有効に活用(ソーシャル・ネットワーク・サービスやYouTube,小口の個人献金システムなど)して当選したことが話題となるなど,"政治活動を行うためのツール"として,インターネットが大いに利用されています。
現在,日本では公職選挙法(第142条第1項「文書図画の頒布の禁止」,第146条「文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限」)によって,政治家は実際の選挙活動期間にインターネットを利用した活動が制限されています。
しかし,そのような制限がある中でも,今回紹介した『未来を選ぼう 2009』だけでなく,楽天株式会社による国内初となる個人献金サービス『LOVE JAPAN 2009 選挙に行こう』や,Twitterを使いこなす議員の書き込みをまとめた『ぽりったー(politter)』など,今までにないインターネットと政治の新しい関係が次々と誕生しています。
今後,日本でも公職選挙法が緩和され,政治活動にインターネットを積極的に活用できるようになるでしょう。その時には,政治家と有権者が互いに政治を考えられるようなインターネットサービスやウェブサイトの登場で,相互の理解がより深くなることを有権者の一人として期待したいと思います。
"生々しさ"を感じる視線
『kees hoort alles | SOUNDCIRCUS Kees Kroot』
オランダ・アムステルダムのサウンドスタジオ,SOUNDCIRCUSのウェブサイト『kees hoort alles』です。
SOUNDCIRCUSのサウンドデザイナー,Kees Krootの写真が大きく表示される画面上で,ユーザーがマウスカーソルを動かすとそれを追うように写真の目が動いていきます。
さらに写真をクリックすると,画面上部から出てきた手によって頭が分離され,ポートフォリオが表示されます。 "ポートフォリオは自らの頭から生まれる"ということを表現した,非常に印象的なウェブサイトです。
ルールを崩し,驚かせる
"頭が分割される"というシュールなアイデアと大胆なグラフィックに驚きますが,個人的には,このウェブサイトの画面に表示される顔から,まるで誰かにのぞかれているような"生々しさ" を感じます。では,どうしてこのような感覚が生まれるのでしょうか。
その秘密のひとつは,顔の動く部分(まばたき,目玉,まゆ,耳)が,目を中心にして横一列に集まって配置されていることです。このため,ユーザーは動く部分を気にし始めると,次第に目を中心とした部分に視線が集中していきます。
さらに,ユーザーがマウスカーソルを動かさずにいると,今までマウスカーソルの方を向いていた目が,突然,正面へと視線を変えてきます。すでに目を中心とした部分に集中しているユーザーは,この動作で画面の中の顔と目を合わせることになり,驚くことになるのです。
「マウスの動きにあわせて動く」という常識が突然崩れることで,ユーザーに驚きを与えているこのウェブサイト。上手に"当たり前のルールを崩す"ことができれば,ウェブサイトをより印象に残るものに仕上げることができるかもしれません。
いま,見ておきたいウェブサイト
- 第15回 Google 未来を選ぼう 2009,kees hoort alles | SOUNDCIRCUS Kees Kroot,Swedish Armed Forces - Recruitment 2009
- 第14回 ドミノオンライン本店,We Choose the Moon: Celebrating the 40th Anniversary of the Apollo 11 Lunar Landing,iQ Font
- 第13回 Eternal moonwalk - A tribute to Michael Jackson.,Audi A5 Cabriolet - Live,WORST SELLER - 売れない商品ランキング
- 第12回 Test Wellaflex,unouplus,BooneOakley.com - Home Page
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- 第10回 Electrolux Blue Touch,magneticNorth,どんな?文科!数字で見る文部科学省:文部科学省
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- 第7回 KDDI株式会社――Designing The Future,mayumi torio,ユニクロトップ - UNIQLO ユニクロ
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- 第5回 The Universe in '09,Plug Into the Smart Grid,TOKYO FASHION MAP
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- 第3回 magicsocket,Pretty Loaded,Space
- 第2回 HAPPY NEW YEAR '09,株式会社コルテックス,Cam with me(カム ウィズ ミー)
- 第1回 NHK青春ラジカセ,Omnia - SAMSUNG,wonderfl build flash online
- 連載開始特別編 2008年の特徴,2009年の展望