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新型インフルエンザ:感染で肺気腫悪化か 入院翌日容体急変 神戸の死者、病院長語る

 新型インフルエンザに感染し、死亡した神戸市の男性(77)が入院していた同市垂水区の総合病院の院長が毎日新聞の取材に応じた。入院当初、容体は落ち着いていたが、翌日に急変、死亡したという。院長は「亡くなられたのは残念だが、タミフルの投与など、できる限りの治療をした」と話した。一方、男性は個室に入院していたため他の患者との接触はなく、職員に新型インフルエンザの症状を訴える者もいないという。

 男性は高血圧と肺気腫、糖尿病の疾患があり、院長によると、週3回の透析治療を市内の別のかかりつけの医療機関で受けていた。今月17日午後、肺炎の疑いと診断され、院長が勤める病院に入院。微熱はあったものの、容体は安定していた。検査の結果、急性気管支炎と判明し、院長は「新型インフルエンザの可能性があるのでは」と疑ったという。

 同日の簡易検査でインフルエンザの陽性反応が出たため、神戸市保健所に連絡、「検体を取っておいてください」との指示を受けた。

 しかし男性は翌18日朝に容体が急変、死亡した。神戸市によると死因は急性気管支炎による肺気腫の悪化。院長は「感染で症状が悪化した可能性がある」と話した。腎疾患などの持病がある患者は、新型インフルエンザ感染で重症化の危険性があるとされ、感染予防の重要性が指摘されている。【米山淳】

毎日新聞 2009年8月19日 大阪夕刊

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