正捕手は1年下の岩谷和磨捕手に譲ったがブルペンでは、リリーフ登板を控えて緊張している投手を、乾いたミットの音と元気のいい声で和ませている。
「いつも明るい」と佐藤監督が話すムードメーカーだ。北見南中から鵡川に進学したのは一人だけだったが、その性格からすぐに、名字をもじった「バシコ」というニックネームを付けられた。
もちろん、「練習でミスが続き落ち込む時もある」という。規則正しい寮生活を息苦しく感じることもあるが、そんな時はがむしゃらに練習に打ち込む。愚痴をこぼしても楽しくならないからだという。センバツでは持ち前の元気の良さでベンチを盛り上げる。
練習を離れるとエースの西藤昭太投手(2年)と最も仲がいいという。西藤投手も「試合前には相談や雑談でリラックスさせてくれる」というが、グラウンドではライバルと思って厳しい練習に耐えている。
自身もキレの良さで勝負する投手だが、結果を出せずに悩んだという。中学時代のフォームを丹念に確認し、走り込みで下半身を強化。ウエートトレーニングに励み、入学時は75キロだったベンチプレスが今では85キロを上げられるまでになった。
その成果もあって、昨秋の地区予選では2試合に登板。2三振を奪うなど無失点と好投した。センバツでは「投げてみたい。ベンチでも大きな声で盛り上げます」。
毎日新聞 2009年3月3日 地方版