2009年6月29日 21時23分
「昭和シェル石油」(東京都港区)の女性社員12人(2人退職、1人死亡)が「女性であることを理由に給与差別を受けた」として、男性社員と同格の地位確認と給与差額など約5億5000万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、計4945万円の支払いを命じた。渡辺弘裁判長は「違法な男女差別があったと言わざるを得ない」と判断した。
女性社員らは66~74年、前身のシェル石油に入社。判決は「少なくとも93年の時点で、男女同一の労働条件による雇用契約が結ばれていたのに、違法な男女別の昇格管理があった」と認めた。
さらに、00年に新人事制度が導入されたが、現在も旧制度の差別の影響が継続していると指摘し、1人当たり200万~600万円の慰謝料などの支払いを命じた。給与差額については「算定が困難」として認めなかった。
原告の柚木康子さん(61)は判決後の記者会見で「今働いている女性への差別も認めた点で評価できるが、給与差額の是正につながらず残念」と控訴する意向を明らかにした。【伊藤一郎】
▽昭和シェル石油広報部の話 判決の詳細を確認した上で、必要な対応を取っていきたい。