新型インフル:「全国的な流行」寸前に 8月に入り急増

2009年8月18日 19時38分 更新:8月18日 21時36分

新型インフルエンザの定点当たり報告数
新型インフルエンザの定点当たり報告数

 国内の新型インフルエンザ感染が全国的な流行水準にほぼ達していることが18日、国立感染症研究所の調べで分かった。今月3~9日に全国約4700の定点医療機関から4630人のインフルエンザ感染報告があり、1機関当たり平均0.99で、感染研が「流行」と判断する平均「1」に迫った。夏場では異例の多さで、舛添要一厚生労働相は19日に緊急会見し、国民に感染予防と冷静な対応を呼び掛ける。

 感染研は「感染症サーベイランス(監視)」として、全国の定点医療機関から週ごとに患者数の報告を受けており、1機関当たりの感染報告が1週間で平均1以上あると、全国的な流行と判断している。例年、6~10月ごろの報告数は0.1未満が続くが、今年は7月から増加傾向になり、7月20~26日が0.28、同27日~8月2日が0.56に達していた。0.99となった同3~9日の推計受診患者は6万人に上る。それ以降も増えている可能性が高い。

 都道府県別では▽沖縄(20.36)▽奈良(1.85)▽大阪(1.80)▽東京(1.68)▽長崎(1.50)▽長野(1.44)の6都府県で既に平均1を超え、ほかに17府県が0.5以上。保健所の管内別では34都府県の139地域で1を超えているという。

 全国の地方衛生研究所で分析したウイルスの型は新型が約8割を占め、残りの大半はA香港型。感染研は、7月以降の感染者はほぼ全員が新型と推測している。

 一方、厚労省によると、新型の感染者の全数把握を中止した7月24日以降、今月9日現在で1066件の集団感染の報告があり、11日までに119人が入院している。厚労省は「夏休み明けに集団感染が起きないよう、特に学校で対策を徹底してほしい」と訴えている。【清水健二】

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